芥川賞「百年泥」読後感
読了感想です 〇同時受賞の「おらはおらで」よりも読めた 〇「マジックリアリズム」手法が用いられているとされるがそれは翼をつけた人をかかなければこの小説が成り立たないかと言うと疑問。理由は翼を付けた人の意味する者について、どの評者もその暗示することについて解明していないからで...
俳句弾圧不忘の碑
第二次世界大戦中、反戦の句を詠んだ俳人らが検挙・投獄された「新興俳句弾圧事件」を語り継ぐ石碑が長野県上田市に完成し、二十五日に除幕式がある。建立の筆頭呼び掛け人は、二十日に九十八歳で亡くなった金子兜太さん。戦争を身をもって体験し、国家が「表現の自由」を奪う恐ろしさを訴え続け...
金子兜太氏・再
今月20日、俳人の金子兜太氏が亡くなった。98歳だった。 金子氏といえば、近年では、安保法制に対する抗議デモなどで盛んに用いられた「アベ政治を許さない」の文字を揮毫した人物としてもよく知られており、一貫して平和を訴え続けてきた人物であった。...
金子兜太氏のご逝去を悼む
惜しい人をまた失った。「私は死ぬ気がしない」と語っていた金子兜太氏が2/20日ご逝去。98才。「安倍政治を許さない」の文字は九条の会の発起人沢地久恵氏に頼まれて揮ごうされたもの。自由律俳句の旗手であり、山頭火の紹介でも知られる。氏の本でワンは山頭火を好きになったのは凡そ半世...
芥川賞「おらはおらで」感想
[if !supportLists]① [endif]「おらはおらで一人で行くも」〈若竹千佐子作〉読後感です [if !supportLists]② [endif]作者は夫を亡くした独居女性で物語上では74歳の主人公にしているが、実年齢は十歳下である。何故そうしたか...
宮沢賢治「虔十公園林」
宮沢賢治から拝借した「おらはおらで一人で行ぐも」の中に「けんじゅう公園林」の名が出てきましたのであらすじ紹介です 虔十(けんじゅう)は、おかしくもないのに笑ってばかりいて知恵が足りないと、周囲から馬鹿にされている少年である。雪の残る早春に、虔十は家の裏手に杉苗を700本を植...
「椿山課長の七日間」読後感
「椿山課長の七日間」 浅田次郎氏は元日本ペン会長で、平和や言論の自由に関するスタンスは正しく、私は評価してきた。 彼の作品はいくつか読んでいる。出世作「ポッポ屋」はよく描けていたし、映画も悪くなかった。ただ一点、当時、中曽根民営化によって、国鉄が解体され、千人を超す強制解雇...
「わたしを離さないで」読後感
カズオイシグロ氏の「わたしを離さないで」の感想です。ネタバレにならない程度に。 文の後尾の数字は早川書房のページ数です。 [if !supportLists]① [endif]ルーシー先生は言った「あなたたちはちゃんと教わっているようで教わっていない」――元教師としてホ...
実存ヒプノ⑧脱稿ーー副題「チークダンスは二人で」
初稿自己採点45点なりの「実存ヒプノ⑧」を枚数31枚で脱稿しました。産みの苦しみを乗り越えーーイャー嬉しいです、。この完成のよろこびの為に今まで苦難の一か月だったと思えばーー以下、一部を転載します。全文を作品集に掲載するのは八月「全作家短編小説集十八」刊行後とご理解下さい。...
実存ヒプノ八ーー執筆中
頬を緩めたモモが真顔になって言った。 「水か。ブン、お前、水道法改正をどう思う」 「改正だと。水は地方自治体運営だろ。ライフラインだ」 「それが、施設は自治体保有で運営権を企業委託できるようにする、コンセッション方式が改正だ」「狙いは」 「TPPの一環」...