top of page

郷土鹿児島出身タレント二人ーー南九州新聞コラ掲載



 郷土出身の二人の芸人の紹介である。いつか本コラムで取り上げさせて貰いたいと思っていたら2/25日の南日本紙が社会面で桂竹丸氏を取り上げたのです。写真入りで大きく。先を越されたと思いましたね。で、今回は二人です。

① 桂竹丸氏――鹿屋市出身の真打落語家です。氏はラジオでも竹丸商店などとして活躍中ですが、本業の落語では歴史から題材をとった「西郷隆盛」など新作落語も多く創作しています。さて新聞で取り上げられた「蛍の母」ですが、戦時中に日本陸軍の特別攻撃隊の出撃基地が置かれた知覧を舞台に、軍の指定食堂を営み、「特攻の母」と慕われた鳥浜トメさんと若い特攻隊員との交流を描いた創作なのです。新聞ではそれを紹介しておきながら、要点が欠落していると思えました、そこで文化部へテレしました。担当記者が不在だったので別の記者に伝言を以下お願いしました。『貴紙が〈語り継ぐ戦争体験〉シリーズを継続しているのも「戦争の愚かさ・平和の尊さ」を伝えたいとのメッセージ性があるからではないか。師匠の「蛍の母」でのメッセージも読み込んで書くべきだった。師匠のメッセージとは落語の最後の部分に、トメさんの述懐で「私はみんなの母と言いながら本当の母にはなれなかった。本当の母だったら息子を戦争に送らなかった」という語と、ラストの師匠自身の語で「戦争を決めるのは老人、命令は大人、戦場に逝かされるのは若者だ」との添え言葉に「戦場に逝く事の無い大人達に若者の命を奪う権利はない」との主張があると思う。そういう平和希求の思いを掘り下げて書いて欲しかった』と。

松元ヒロ氏。鹿実陸上部出身で、政治風刺コント集団「ニュースペーパー」結成を率いたヒロ氏を、最近テレビで観なくなって「食えずに引退したのか」と、気になっていました。ところが独演は大人気みたいで、「厳しい政治批判をやるので、テレビが出さないんだ」と、ヒロ氏がネタにいれてやってました。KTSはそれで一昨年「テレビで会えない芸人」と、「出られない」をオブラートに包んで氏を追ったドキュメントを作成しました。結果それは昨年、民間放送連盟賞受賞となりました。初放送は深夜だったので知人から誰一人電話が来なかったとヒロ氏は言ってましたが。受賞後の再放送はゴールデン時だったので「面白かった。よく放映した」と筆者は局にテレ入れました。さておき、氏のコントはユーチューブで幾つか見られます。評論家佐高信氏との対談も面白いです。氏は自分の絵本「憲法くん」とコント「こんにちは憲法くん」ではこう語ります。「現実に合わないから、理想としての憲法を変えるって? とんでもない。現実を理想に合わせていくのが本当でしょ。そして憲法としいうものは国民が国を縛るのであって、国が国民をもっと縛れるように改正したいとはオカシな話です」と。絵本「憲法くん」では彼はこうも綴っている。「国民から国への命令書、それが憲法」だと。同本は井上ひさし、永六輔氏が絶賛している。が、筆者は恥ずかしながら未読なので、近日には読みたいと思っています。コロナ禍で、公演中止も余儀なくされているようですが、頑張ってほしい「薩摩っぽ」芸人さんです。

Recent Posts
Archive
bottom of page