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三丁目の夕日二十一

 

コミック「三丁目の夕日」から題材をとった追想記である。時代は昭和30年代である。戦後10年を経て、新憲法下、国家という軛〈くびき〉から解放され、〈個人として〉国民が生活に勤しみ始めた時代と言える。BGMには「私の青空」をお勧めしたい。歌詞の一部である。〈夕暮れに仰ぎ見る輝く碧空 日が暮れてたどるは我が家の細道 狭いながらも楽しい我が家―略―恋しい家こそ私の青空〉。冒頭の【】はコミックのタイトルで、今回は〈生き物の詩〉より3話紹介です

【庭のガマ蛙】洋平くんが庭で大きな蛙を見つけておばあちゃんに教えると、ばあちゃんが「このガマさんはずっと前からうちの庭にすんでいるんだよ。昔からガマさんは家の守り神だって言われてるんだよ」と教えて呉れる。事情から両親と別れ、ばあちゃんに育てられていながら、自分を捨てた母親が恋しい洋平君の枕元にガマさんが現われ、「母さんは小さい頃、かわいい子だった」と母親の話をしてくれ、「オイラがばあちゃんもお前も守ってやるからな」というのだった。実際、ガマさんは吐く毒で泥棒や蛇を退治してくれるのだった、という話。

 筆者は幼児期の頃、ガマさんがとっても苦手でした。電話の無かった時代、伝言を伝えに隣の家に懐中電灯無しで暗く狭い小路を歩く時など、よくガマさんを踏んづけたものでした、グェツという声がしたら、足に決まってイボが出来てどうしようも無かったからです。ガマさんの寿命は15年ほどと言われてますが、最近はあまり見る事も無く、「ガマの油売り」さんも見えなくなりました

【ヤモリ】ヤモリさんにはある夢がありました。それは父から聞いた〈雪〉というものを見たいという事でした。でも冬の間には長い冬眠にはいる為、目が覚めたら春で、雪は見られないのでした。ところが、住んでいた家がボヤを出してしまい、彼は逃げ出して、その年は木のウロ〈穴〉で過ごす事になり、雪を始めて観られて驚くのでした、というお話。筆者もヤモリはよく見てましたが最近は見なくなりましたね。無害なので好きなのですが。

【ケセラセラ】三郎君には心配事がありました。飼っていた鶏さんが卵を産まなくなって、母さんが、そろそろ食べようか、と言うようになってたからです。実は卵は近所の猫に盗られていたのですが。ある日、鳥鍋が出た日、鶏がいなくなっていて、彼は母親に「トリさんをツブしたな」と食ってかかります。実はトリさんは逃げ出していて、肉は精肉やさんからのものだったという話で、鶏さんの新しい飼い主は近所のおばあちゃんになったという話、

 昔、卵は滅多に食べられず、運動会の朝くらいでした。どこの家も鶏は同じようなものだったと思います。中二の時、仲良しだったコウイチ君、彼は十年ほど前に水難事故で他界したと聞きましたが、当時彼の家には隼人ウリがなっていてたくさん貰って嬉しかった記憶があります。その時、彼の家で、流行っていた忍者ごっこで一緒に遊んだのはジュンイチ君でした。後年、彼の娘さんを生徒として授業をするとは夢にも思いませんでしたね。リーダーシップがあって、父親に似た明るいお嬢さんでした、今は家庭持ちだとか。人生が夢まぽろしのようです。

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