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「神」を目指すと吼える薩摩っぽ 


タイトルを見てニヤリとされた方は相当のプロレスファンと言えよう。誰を指すかというと新日本の飯伏幸太選手である。姶良市生まれの加治木工業高卒である。「僕は 逃げない 負けない 諦めない 裏切らない。そして本当の神になる!」がキャッチコピーで、打撃技〈カミゴエ〉を切り札に、強敵ひしめく新日本プロで二年連続G1グランプリ優勝を果たし、一目置かれる存在になってきた。一時、新日本を離れて独立していたが、〈タイガーマスク・ダブル〉として覆面レスラーで復帰してからは、棚橋・オカダを越えて新日の顔となりつつある。

 団塊世代の筆者のプロレス歴は勿論、力道山時代に始まる。プロレス放映の日、集落の子供達はつるんでテレビのある家に見せて貰いに行ったものだ。衝撃的だったのは、放映日に「ケネディ暗殺」の米国からの中継が突然入って、プロレス放送が中止になった事!この記憶は正しいと信じているが。高校・大学時はテレビと離れ、勿論プロレスも見ていない。よって、力道山没後にプロレス界が猪木の新日と馬場の全日に別れた事などに関心は無かった。再び関心を持ったのは、猪木の「異種格闘技」戦から。柔道家ルスカに続き、ボクシング王者モハメッド・アリとの対戦時には、教職に就きテレビも持っていたので、帰宅中の生徒達が押しかけてきて一緒にテレビ観戦した記憶がある。極真空手のウイリーとの対戦にも興奮した。萌える闘魂、猪木の伝統を継ぐ現在の新日本プロレスは〈キングオプスポーツ〉を標榜して〈ストロングスタイル〉と呼ばれる格闘技本来のファイトスタイルを掲げている。真剣勝負に近い分、リングドクター制を取り入れて健康管理に配慮しているそうだ。真剣勝負に近い、と書いたのは娯楽性を高める為にショー的要素を含んでいるのを否めないからである。それは対戦映像からも見て取れるし、レフェリー他、関係者達の回想記にも書かれている事である。多くの回想記や、映画「力道山」〈日韓合作・いい作品だった〉、棚橋弘至が主演をした「パパは悪者チャンピオン」、漫画「空手バカ一代」〈空手の大山氏が主人公の漫画。ここで力道対柔道家の木村戦はショーだったとの見解を原作梶原氏は述べている〉などでも楽しんで来た。

 最後に好きな選手を何人か。アントニオ猪木。国会議員になり政党を変遷したが、イラクでの邦人人質全員解放に成功した事、北朝鮮訪問が30回を超え、キューバのカストロ氏にも高い評価を受けていた事など「スポーツ交流が平和友好の一助になる事」を示した。音楽などの民間国際交流も同様で、政治が出来なかった草の根交流に口を挿む事には反対である。                                                      長州力と橋本真也は闘志をむき出しにしたストロングレスラーだった。破壊王橋本氏が早逝した折、筆者は創作「白幻記」の中に、真也と言う名の青年を登場させて追悼した。現在では棚橋弘至、百年に一度の逸材にかつての勢いが復活する事を祈る。レインメーカーのオカダカズチカ、悪役の対戦相手にもマイクパフォーマンス中に敬語を使うところが体育会系らしく好感を持てる。最後に飯伏幸太、好漢さつまッボからプロレス界の星になる事を期待している。ーー南九州新聞コラム掲載済み


てつとーー井伏写真が無く、上の写真は「神になりそこねたバッドマン」という事で(笑)

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