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元気の出る言葉。程料理人


筆者が「料理自慢」である事は以前書きました。個人山行していた独身の頃から調理には関心を持ち、工夫も凝らしてきました。料理番組はよく見てましたし、今でも時々見ています。昔TVであった「料理の鉄人」は必ず見ていて、レシピ本も三冊手にしてます。和洋中の三鉄人に腕自慢の調理人が挑むものでした。強い鉄人を初めて破ったのが中華料理人の程一彦〈ていかずひこ〉氏で、鉄人は陳健一氏、食材は〈蛸〉でした。

 彼の経歴から。台湾料理店経営の日本人の父と台湾人の母の間に生まれ、大学卒業後、台湾・香港で一年間修行後、父の跡を継いで二代目オーナーシェフとなる。伝統ある〈中華料理〉の真髄とくれば〈医食同源〉に突き当たるは必定である。医食同源とは、食を大切にすることが医者いらずの体を作る、という事である。インテリシェフ程一彦氏の「元気のでる言葉」より「体を元気にする」氏の推薦する食生活と食物についての教えです、以下。

 まず〈食生活〉を「養生訓」ふうに羅列して貰うとこうです。①朝は先ずコップ一杯の水からーー血液をきれいにする。➁おいしい顔で料理をつくり、おいしい顔でいただくーー笑い顔が免疫力を高める。③一口で三十回以上噛み、十五分以上かけて食べるーーダイエット効果にもなる。④低温殺菌牛乳を日にコップ二杯飲むーービタミンとカルシウム補強。⑤緑野菜は肉魚の数倍食べるーー血液サラサラになるため。

次に「元気の出る食材」です。要点は「信号色の赤・青・黄」と覚えて戴きたい。

〇「赤」。シソと梅干しとトマトーーアルフィリレノン酸が免疫効果。〇「青」。アスパラ、サラダ菜、ニラ、菜の花、小松菜、春菊、チンゲン菜、ブロッコリー。〇「黄」。ウコン。かんぴょう。ユリの根

加えて、「三幸」という、海・山。里の三つの幸です。

海の幸は海藻、山の幸はキノコ、里の幸はこんにゃくです。

 以上が「医食同源」料理、別名「薬膳」をモチーフにし続けた氏の「食育」の勧めである。追加しますね。〇「出来合いのものでも、何らかの手を加えてあげてください。健康面でも、精神面でも重要なことです」。程名人は特技がありました。素人には決してマネできる技ではないですが、よそを観ながら包丁を使う〈よそ見包丁〉という技でした。客人への目配りを常に忘れないという事でしょうか。

それでは最後です。昨年、八十二で逝った鉄人の「元気の出る言葉」です。「人の陰口を言うな。いうなら陰誉めを言え」。もう一つは「いやな事は忘れなさい」である。

生前の鉄人には額に深い縦しわが刻まれていたという。日系二世の人生がなせるものだったのでしょうか。それでも鉄人は伝えて生きてきました「いやな事は忘れなさい」と。他国人をののしる見苦しいヘイトスピーチ〈差別宣伝〉などが一刻も早く我が国から消える事を願って本稿を終わります。ーー10日南九州新聞コラム掲載

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