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三題噺


①「芸能人の発言」

十日、南日本紙の政流稿は、芸能人の積極的発言は政治劣化の反映かという題で政治家は真摯に受け止めよという論だった。論旨は理解できたが、疑問が残ったのが二点ある。①一体「政治の劣化」なるものの正体が示してない。これは「独裁の北」や「ゴールポストを動かす韓国」と同じく、レッテルで済ます安易な手法だ。そして「政治の劣化」なるものはコロナ禍が無ければ暴かれなかったのか。森加計、桜で暴かれなかった責任の一端はマスコミにないと言えるか②「本当は政治の事など考えずに仕事に集中したい芸能人」はおかしい。どの仕事も同じだし、「政治の事など考えず」は論外。米国では社会的発言の無い芸能人は無能とされるそうだが、日本の芸能人の社会的発言が少ないのは、個人でマネージメントをする米国と違い、所属事務所に管理され発言監視までされているからだ。ラッシュの村本や歌手の沢田・吉川氏とか発言者はネット界では幾らでもいる。離婚や不倫のみを追い、芸能人の社会的発言を話題化しないマスコミに責任はないだろうか。

➁コロナ禍と学校教育

 新学期が始まった学校では、密集をさける為に窓を開けてのクーラーのようだが猛暑はしのげるのだろうか。給食は副食三膳が配膳対策から減らされ、食の楽しみまで奪っている。他方、保護者の収入源やアルバイト減から退学を考えている学生が二割近いとの結果は深刻だ〈五月時点〉。教育は未来への投資と言われるが暗然となる。全国一斉の休校措置は正しかったのか。ゆとりから転じた詰め込みは必要なカリキュラムなのだろうか。小人数教育は未実現のままだ。ムーア監督の「世界侵略のすすめ」によると、フィンランドでは宿題を無くし生徒の負担を減らす事で世界トップの学力を保持。スロベニアは大学まで授業料無料、留学生も同等。フランスは豪華なフレンチ給食を大人が付き添ってマナーも教える。ドイツでは過去の自国の歴史教育に重点を置いていた。他国から学ぶべきは多い。何より血税の使途に国民は注視すべきだろう。GDPに占める教育予算はOECD加盟国35国中最低である。

③TV「妖怪シェアハウス」

 共同配信で南日本紙にTV番組「妖怪シェアハウス」が紹介された。夏らしい妖怪物であるが、惜しくも土曜の深夜番組なので三話が放映された現在、視聴率は低いようである。だが新聞の紹介は大絶賛?だった。「夏の暑さをすかっと吹き飛ばしてくれ」、「見終わった頃には明日への活力がみなぎっている」と。借金を背負い職を失い彼にも捨てられた〈どん底女子〉、澪(みお)を演じる小芝風花さんの表情が豊かで変顔すら素敵だ。喜界島出身の澪が綺麗なお岩さん他の妖怪達とシェアハウスするのである。二股男やセクハラ上司の退治に乗り出したり、と妖怪達に正義感が溢れて気分よく見られ、次回が楽しみとなる。アマビエさんも近く登場予定とか。願わくば妖怪の聖地鳥取県境港の「第一回妖怪祭り」で見事チャンピオンに選ばれた、郷土高山の(一反木綿)を登場させてほしい。ピンチに陥った妖怪のみんなが「助けてぇ」と叫ぶのである。その時、空から「なんかようかい?」と現れるという設定でいかが。ーー27日南九州新聞コラム掲載

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