top of page

都医師会会長怒る


新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。東京都では30日、過去最多の367人の新規感染者が確認された。31日はさらに更新し、463人ということもすでに分かっている。  もはや待ったなしの状況だが、「今が最後のチャンス」と危機感をあらわにし、政府に「今すぐ国会を開け!」とブチ切れたのが、東京都医師会の尾崎治夫会長だ。コロナ対策の前線に立つ医師からの異例の“物言い”。安倍首相はこれ以上、逃げるのは無理だ。  30日、緊急会見に臨んだ尾崎会長は、「新型コロナウイルス感染症の今後の対応」として、「エピセンター(感染の震源地)に対する施策」や「PCR検査の拡充」など5項目を掲示。都内のPCR検査拠点を8~9月に、1400カ所に拡充すると表明した。  さらに、エピセンター対策については、「このまま休業を『お願い』する形では、日本全体が感染の火だるまに陥っていく」と問題視し、「法的拘束力を持った補償を伴う休業要請を、限定地域で期間(14日程度)を定めて行うべき」と発言。休業要請に拘束力を持たせるため、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正の必要性にまで、はっきりと言及した。  終始厳しい表情だった尾崎会長が会見終盤に掲げたフリップは、〈良識ある国会議員の皆さん〉と題され、〈コロナウイルスに夏休みはありません。一刻も早く国会を開いて、国が出来ること、しなければいけない事、国民に示し、国民を安心させてください〉と記されていた。

野党4党は臨時国会召集の要求で合意

 これに、SNSでは〈安倍晋三さん、逃げないで出てきて下さい〉〈これでも安倍政権は国会を開かないのか?〉といった声が続出。立憲民主党など野党4党の党首も30日、憲法53条に基づき臨時国会召集を要求することで合意。31日、衆院議長を通じて政府に求めた。  そもそも、通常国会は野党の会期延長要求を与党が拒否して閉会。週1回の閉会中審査でお茶を濁し、安倍首相も「求められれば説明責任を果たす」と言っていたのに、結局、予算委にすら出てこなかった。この間、「Go To トラベル」「ワーケーション」など愚策を打ち出し続け、ロクな対策をとってこなかったうえに、安倍首相は1カ月半近く国会出席から逃げ続けてきたわけだ。現場の医師から“国会を開け”とお叱りを受けてなお、逃げ続けることができるのか。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。

 「与党は2017年にも、野党から憲法53条に基づく国会の開会要求を受けましたが、徹底的に無視しました。ところが、この憲法53条による国会開会要求を巡っては、那覇地裁が今年6月、『内閣には国会召集義務がある』と判決を出した。そこに今回、さらに医師会の要求が重なったわけです。中身は『検査体制の拡充』『休業要請と補償』と、先進国が取っているコロナ対策と同様で、まっとうなものだと思います。これを無視するようでは、国民の命の軽視とみられても仕方ありません。政権トップの安倍首相自ら、国会を開き説明すべきです」

説明責任を果たせないなら、退陣してもらうしかない。

ーー日刊ゲンダイ31日より転載

橋ーー上論に全面賛意します

Recent Posts
Archive
bottom of page