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みよちゃん⑫ーー実存ヒプノ十二
- 雄幸 土橋
- 2020年5月1日
- 読了時間: 1分

その夜。微かな香水の香りとともにベッドに忍び込んできたみよちゃんだ。妻と死別後、五年ぶりの女体だった。刺激的な香りと柔らかな肌が、時を忘れさすほどの甘美な陶酔へと誘(いざな)ってくれた。
翌朝。食卓の上に書置きを見る。
「お世話になりました。直接のお礼も言わずに失礼します。昨夜の事は忘れて下さい。みよこ」
彼女の所持品は勿論、車も消えていた。茫然自失となった後、浮かんだのはモモジローの顔だった。ヤツが訊いてくるのは間違いない。ーー次回がラストです