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コロナ対応批判「10万円」

安倍首相は“ゲタの雪”に裏切られた気分だろう。悪評ふんぷんの臨時給付金30万円案が、大どんでん返しで1人当たり一律10万円を給付することになった。  異例の目玉対策の転換は、公明党の猛プッシュがあったとされるが、とんでもない。 確かに公明党の強硬姿勢はすさまじかった。山口代表は15日の直談判に続き、16日も安倍首相との電話協議で10万円給付を補正予算案に盛り込むよう重ねて要求。党も衆院予算委員会理事懇談会を欠席する意向を伝え、開催は見送られた。与党の欠席戦術は異例中の異例だ。  ネット上では〈山口さんの押し切り勝ち〉〈公明党の手柄だな〉〈まじめに見直した〉と、公明主導を絶賛する声も見られるが、真相はこうだ。 「評判の悪い30万円給付について、公明党幹部は支持母体の創価学会から『閣外協力も視野に入れる』と強く見直しを迫られたのです。14日に二階幹事長が10万円の一律給付を打ち出したため、慌てた山口代表が急きょ、15日に首相に直談判しました」(公明党担当記者)

学会に「連立離脱」も辞さずの覚悟を示されて、ようやく腰を上げたのである。  実際、公明党は3月末時点で、家計が深刻な人々の暮らしを守るため、「1人当たり10万円」の支援を打ち出していた。ところが、今月3日になって、政府・自民党の「収入半減世帯に30万円」案をアッサリ容認。石田祝稔政調会長は「1世帯当たりの人数は大体2・27人。3人世帯なら30万円と(1人10万円と)計算がピタリと合う」とガッテンしていた。その舌の根も乾かぬうちに、おとといの会見で石田会長は、1人当たり10万円について「一歩も引かない決意だ」と意気込んでいた。このポジショントークこそ、“コウモリ政党”の本領発揮だろう。 「公明党は一律10万円を引き出したというより、ここまで引き延ばしたと言えます。例えば、国民民主党は3月18日に一律10万円を打ち出しています。自公合意で30万円の支給がわずか2割の世帯にとどまることになり、給付金をアテにできない人が、休めずに働きに出たケースも少なくない。もっと早い段階で、一律10万円の政治決断ができていれば、外出自粛、ひいては感染防止にもつながったはず。“天下の愚策”をいったん容認した公明党の責任は重大です」(立正大名誉教授の金子勝氏=憲法)  7年以上に及ぶアベノミクスの格差拡大策を放置しておいて、今さら国民の味方ヅラはしらじらしすぎる

給付開始は早くて7月か

 国民1人当たり一律10万円が給付されることになった臨時給付金。公明党の斉藤幹事長は5月下旬から6月初旬の給付を目指す意向を示しているが、大甘だ。どうやら、早くて7月になりそうだ。補正予算を大急ぎで通したとしても、給付には膨大な事務作業が必要なのだ。  実務を行う市町村は、受給者について、住民基本台帳の住民登録通りの住所に住んでいるかすべてチェックし、振り込み口座情報をもらう必要がある。入手した口座情報は「なりすまし」防止のために本人確認も必要になる。内閣府の幹部は、振り込み開始時期について「夏以降になりそうだ」と漏らしているという。

 安倍首相も7日夜の会見で「全員給付だと約3カ月かかる」と断言していた。夏に給付されても、とっくに干上がっている。ーー日刊ゲンダイ17日より転載

橋ーー上論に全面賛意します

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