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みよちゃん⑤ーー実存ヒプノ十二

  • 執筆者の写真: 雄幸 土橋
    雄幸 土橋
  • 2020年4月15日
  • 読了時間: 2分

「ヒプノではああ出た訳だが、女房と畳は新しい方がいいと言うからなぁ」との、酒飲んでからの男の言葉に返す、「糟糠(そうこう)の妻という言葉もありますよ」。

 意見を挟まない、がセラピストとしてのスタンスなのだが、つい口にしてしまった。ところが。洗面所で一緒になった時、男は近づいて囁(ささや)いたのだ

「先生はあのアシスタント女性とは出来てるんでしょう?」「できてるとは?」

「合体ですよ。同じ屋根の下で暮らしてんだから、当然といえば当然でしょうがね」「いや、まだだ」。

〈まだ〉という不用意な語は酒が言わせている。耳元で男は続けた「催眠使えばできるんでしょ、〈好き好き〉催眠とか、〈タイムストップ〉とか」。

 男は詳しかった、ユーチューブとかで見た事があったのだろう。

〈好き好き〉催眠とは瞬時にして被験者に自分を好きになるよう暗示するやつで、〈タイムストップ〉催眠は被験者の時間を停止させて身動きできぬようにしてから思い通りのオモチャにするヤツ。覚醒後に催眠中の出来事の記憶を消失させるのも可能という技法で、当然だが俗称である。

 「やれませんよ。相手を思いのままにする事が映像みたいに実際やれるとしたら、今頃はヒプノ大流行ですよ。映像はヤラセです」

「出来っこないと」

「ええ。間違った期待など持たない方がいい」

「解りました。何でもできると思ってたヒプノですが、完全な魔法じゃない、って理解でいいですかね」。ーー続く

 
 
 

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