top of page

コロナ対応批判②


内閣府でも100億円以上の「コロナ広報予算」が!(内閣府HP/https://www.cao.go.jp/yosan/soshiki/r02/yosan_r2_hosei.pdf)

 外務省が新型コロナの日本の対策に対するSNSなどの批判をチェックし、海外からの批判を封じ込めるために、緊急経済対策の予算から24億円を計上している──。昨日、本サイトがそう報じた記事が大きな反響を呼んでいる。

 当然だろう。外務省HPに、〈感染症を巡るネガティブな対日認識を払拭するため,外務本省及び在外公館において,SNS等インターネットを通じ,我が国の状況や取組に係る情報発信を拡充〉と記されていることからみても、この24億円は自分たちへの批判封殺や情報操作のための予算だ。

国民一律のすばやい現金給付や、休業要請に対する補償を頑なに拒否しつづける一方で、こんなことにわたしたちの貴重な税金をつぎ込むなんてどう考えてもありえないだろう。しかも、海外からの批判は「検査数が少ない」「日本の感染者数は実態を正確に表していない」など、デマではなく正しい指摘がほとんど。ところが安倍政権は指摘された問題点を解決するのではなく、金をつぎ込んで海外からの批判を封じ込もうというのである。

しかも、安倍政権がこの新型コロナ対策で情報操作につぎ込む金は外務省の24億円だけではなかった。内閣府が、新型コロナ問題に対応する「広報」予算として、なんと100億円以上を計上しているのである。

 安倍首相が緊急事態宣言を発令した7日、政府は新型コロナ感染拡大に対応するため「GDPの2割に当たる事業規模108兆円」の緊急経済対策を閣議決定。現在、各省庁がその方針に基づいて、補正予算案を組んでいる。

 ところが、緊急経済対策の取りまとめ役である内閣府の「令和2年度補正予算(案)の概要」をみると内閣府独自で、100億3600万円が「戦略的広報費」に充てられているのだ

 一体、この「戦略的広報費」とはどんなものなのか。その説明には、こうある。

新型コロナウイルス感染症対策や経済対策に盛り込まれた各施策の内容を始めとした喫緊の取組等についての国内広報を実施するとともに、日本に対する信認を高めるための国際広報を実施する。〉

 まず〈日本に対する信認を高めるための国際広報〉って、そもそも、新型コロナは世界各地で発生しており、WHOも「世界的な緊急事態」を宣言している。日本だけが感染拡大地域ではないのに、どうして〈日本に対する信認を高めるための国際広報〉が必要なのか。

 ようするに、〈信認を高める〉などと言いながら、実際には、海外メディアによる「日本が発表している感染者数は氷山の一角」「日本は広範囲な検査実施に失敗した」「安倍首相のマスク配布計画は物笑いの種になっている」「緊急事態宣言の措置が遅すぎる」といった“事実”に基づいた報道に対して、「検査は十分におこなわれている」「日本は安全」などというPRを展開して事実を覆い隠そうとしているのだろう。  しかも問題なのは、この予算目的が、先に報じた外務省の24億円とほとんど変わらないことだ。これ、予算の二重取りではないか。

 いや、二重取りどころではない。今回の約100億円は新型コロナ緊急経済対策として補正予算のなかから計上されるものだが、じつは3月27日にすでに成立した2020年度予算(本予算)でも、内閣府予算として「国際広報の強化」のための費用が計上されているのである。

 この「国際広報の強化」は、〈国際社会における事実関係に関する正しい認識と、我が国の立場や政策に関する理解の浸透を図るため、あらゆる広報ツールを通じた対外発信力を強化し、戦略的な国際広報を実施〉するための費用だというが、その金額は、なんと36億5600万円にものぼる。

 そもそも、この本予算の「国際広報」なるものは、安倍官邸が司令塔となって日本軍「従軍慰安婦」問題など歴史修正主義に基づいた国外への情報発信にも使われている。そんなものに内閣府だけでも約37億円も計上していること自体が税金の使い道として異常としか言いようがないが、もし本当に「新型コロナ対策」として国際広報が必要なら、この本予算の国際広報費を転用すればいいだけではないか。ところが、内閣府は本予算の約37億円を温存したまま、さらに上乗せするというのである。

官邸と官僚が「緊急経済対策」に「情報発信の充実」を入れ、批判封じと巨額広報予算分捕りに悪用

 内閣府が約100億円のもうひとつの名目としてあげている「感染症対策や経済対策など喫緊の取り組みについての国内広報」も同様だ。国際広報に比べれば、「国内広報」はたしかにある程度、必要かもしれないが、国民の生活支援や休業補償を拒否しながら、なぜ広報だけ100億円もの金をつぎ込む必要があるのか。しかも、これも厚労省が「新型コロナにかんする国民の不安や疑問に対応するためのコールセンター設置や広報の充実」として予算を35億円計上。内閣官房も〈国民に対する正確で分かりやすくかつ状況の変化に即応した情報提供等を、ソーシャルメディア等の多様な媒体を通じて、迅速かつ積極的に行う〉ための予算として4億2400万円を計上しており、完全に二重、三重どりになっている。

 一体どうして、各省庁で、国民への直接支援とは関係のない巨額の広報予算の無駄遣いがおこなわれているのか。

 答えは簡単だ。安倍政権が広報に金を出す方針を打ち出しているからだ。安倍政権は「GDPの2割に当たる事業規模108兆円」の緊急経済対策を閣議決定するにあたって、5本の柱、つまり施策方針を立てている。

 その1番目は「感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発」というものなのだが、そのなかに、「マスク・消毒液等の確保」や「検査体制の強化と感染の早期発見」、「医療提供体制の強化」などと並んで、「情報発信の充実」という項目が掲げられているのだ。

 もちろん、本来は正確な感染状況や医療情報を国民に伝える目的もあったはずだ。しかし、普段から、広告代理店やSNSマーケティング業者とグルになって情報操作に血道を上げている安倍官邸は、この予算の趣旨を政権への批判封じや情報操作に利用できるようにねじ曲げてしまったのである。

「内閣府以下、各省庁はもう官邸が何をやりたいか、わかっていますからね。一旦、方針を打ち出せば、忖度して競うように官邸の意向にあった使い方を始める。森友や加計のときとまったく同じですよ」(全国紙政治部記者)

国民が窮状を訴えても聞く耳を持たず、自分に向けられる批判を抑え込むための情報操作には金をつぎ込む──。まったく許しがたいが、この責任は国民やメディアにもある。メディアが安倍政権の情報操作に協力し、国民がそれを疑わずに簡単に乗せられてきた結果、安倍首相や政権幹部たちはとにかく情報操作にさえ金と力をかければ、どんな不正や失政をしても、批判を封じ込めると増長してしまったのだ。

しかし、今回の危機はまさに自分たちの命がかかっているのだ。今度こそ、こんな姑息な情報操作に惑わされることなく、生活支援と休業補償を強く求めていく必要がある。 --リテラ13日より転載

橋ーー上論を支持します。もはや、何をかいわんや

Recent Posts
Archive
bottom of page