不可解、自民鹿児島県議団
自民鹿児島県議団 「コロナになる」を笑う非常識 三反園推薦協議で新型コロナを揶揄
鹿児島県の自民党県議団幹部が、今夏の知事選対応を協議するため先月28日に開かれた議員団総会で、現職・三反園訓氏の推薦を躊躇する状況を例えて「コロナになる」と発言。出席県議の一部が同調して笑うという、新型コロナウイルスの感染拡大に怯える国民を愚弄するかのような場面があったことが明らかとなった。 新型コロナの水際対策に失敗した安倍晋三首相が、唐突に「一斉休校」を公表したのが27日。国内が騒然となる中、自民党の地方議員たちが新型コロナを笑いの種にした格好だ。 政治家である前に、人として最低。事情を知った鹿児島県民の間からは、厳しい批判の声が上がっている。
■“現職推薦”に走る中で…… 自由民主党鹿児島県議会議員団(以下、県議団)の総会は、先月28日に、三反園訓鹿児島県知事の自民党推薦を決めようと動いてきた外薗勝蔵県議会議長らの要請を受けて開かれたもの。当日の議論は、議長の立場をわきまえぬ外薗氏らの主導で進み、執行部一任を取り付けたあと、最終的に三反園推薦を決めていた。(参照記事⇒《自民県議団・三反園推薦「全会一致」の真っ赤なウソ》) 問題の発言は、総会が始まって40分近く経ったところで、県議団副会長を務める西村協県議(枕崎市区:当選2回)が発したものだった。西村議員は、三反園推薦の是非について態度を決めない同僚県議を批判した上で、同日中の推薦決定を強く主張。執行部の一員として推薦問題にかかわってきたことを「汗をかいてきた」と表現し、「汗を拭かないと(“推薦を決めないと”の意)、風邪をひいてコロナになる」と言い放っていた。出席した県議らの一部からは、笑いが起きていた。(*下が西村協県議。同氏の公式HPより)
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた安倍晋三首相が、大規模なスポーツや文化イベントなどについて、中止か延期または規模を縮小するよう求めると言い出したのが2月26日。翌27日には、全国の小中学校、高校、特別支援学校に一斉休校を要請することを表明し、国内は騒然となっていた。
鹿児島の自民党県議団は、そうした状況を顧みず、知事選を巡る権力闘争にうつつを抜かしたあげく、新型コロナウイルスを笑いの種にしていたということだ。
コロナ発言は事実か――。7日、HUNTERの確認に対して西村県議は、「あったような気がしますけど、覚えていない」「いろんな意見を言う中での話」「分からない」などとあやふやな態度に終始。記者に厳しく追及されても、自身の発言を認めようとしなかった。
■発言の詳細 しかし、どう言い逃れしてもコロナ発言は事実。総会に出席した複数の自民党県議が、西村県議の発言要旨を認めている上、動かし難い証拠があるからだ。以下は、団総会当日の西村協県議の発言である。
――いいですか、いいですか、いいですか。ええと、私も慣れない執行部でですね、あの頑張ってきました。前回ですね、推薦のお願いが来た時に、あのー皆さん(が)、あのー、あの多数決をとれと言われたんですけれど、多数決ではだめだと、札が割れたりするから、各個人に聞いてくれと一人一人聞いてくれと、汗をかけと言われたんですよ、我々は。
だから、我々はですね、皆さんに一人一人聞きました。その中で今おっしゃるようにですね、18か19は賛成の方がいました。そして後ですね、ま数字言っていいんですかね。あと、あのー推薦はするけど、今は時期でないという方がいました。
で、私はその時にあのいや推薦しないんだったら、反対でいいですよと、いや反対ではないんだ時期が早いと、時期が早いから賛成はできませんと、いや賛成はできませんというか中間です――。
じゃあの時ですね、多数決をとれって言った時に、手を挙げるかって言ったら、その人たちはどうするんですか、挙げるんですか、挙げないんですか。僕は言ったんです、強く(そう)言いました。でそのどっちかにして下さいということをですね、私は慣れないもんですから、あの汗をかけって言われた分でですね、それをどっちかにして下さいよって、(そう)いうのが自民党の県議団の執行部だと思ってですね、強くどっちかにして下さいということをお願いしました。
そしたら、圧力だと感じた方もいらっしゃって、翌日団会長から、そういうことは良くないよって言われたんですけど、あっ分かりましたと言って、その次はもう引きました。
それでもですね、気持ちの中で、どっちかに決めて下さいというのが僕の意見だったです。で、その中で今言ったように、その時はもう賛成が多いですよということで、推薦してもよかったんですけど、拙速だという意見もあったものですから、あのー、まあ止めた、止めただけでして、その間ですね、ずっと来ました、今日最後の有川さんまで来ました。
これ以上待ってどんな話になるんですか。分かれるだけでしょう。もうどっちかに決めてください。するのかしないのか、もう、で、自民党県議団、あの先ほどから県連がどうのこうの言っているけど、自民党県議団が推薦するかしないかです。自民党県議団が。県連がどう、県連(に)は推薦しましたって言って上げるだけですよ、我々は。我々は、自民党県議団が推薦するかしないかなんですよ。そこを考えていただきたい。
私はですね汗をかけって言われてですね、汗をかいてます。これを拭かないとですね、我々の団の時代にですね、汗を拭かないと汗をかきっぱなしで風邪をひいてコロナになる(笑い)。それぐらいです。ですから、是非今日は決めてもらいたいというふうに思います。
副会長という立場にありながら、三反園推薦を“きょう決めるべき”だと主張する西村氏。県議団内部の意見集約に「汗をかいてきた」として、「(きょう)拭かないと汗をかきっぱなしで風邪をひいてコロナになる」と、新型インフルエンザ感染を揶揄し、話を聞いていた県議らの一部から笑いが起きるという展開だった。
■県民からは厳しい批判 あまりに幼稚すぎる発言の内容にも呆れるが、死者を出している新型コロナウイルスを引き合いに出し、笑いの種にした西村氏も、それに笑いで答えた県議らも人として最低であり政治家を名乗る資格などあるまい。実情を知らされた県民はどう思うか――。鹿児島県内の有権者に話を聞いた。
【鹿児島市在住の40代男性・会社社長】 「本当に新型コロナウイルスを揶揄したんですか?それが事実なら、言った奴には議員の資格はないですね。国民がこれだけ大変な思いをしている時に……。許せない。三反園さんを推薦した方々は、その程度の連中ということなんでしょう。クズだよ、クズ」
【大隅地方の50代男性・農業】 「発言者はただのバカ。それを咎めなかった自民党県議団というのは、腐った連中の集まりということだ。全員辞職すべき。感染者が出ていないとはいえ、国の唐突なお達しに子育て世代が振り回されているのは鹿児島も同じ。それなのに、例えで新型コロナを持ち出すとは……。程度が低すぎて話にならない」
【鹿児島市の30代女性・専業主婦】 「水際対策に失敗したのは、自公政権じゃないですか。その反省もなく、自民党の議員が新型コロナを悪い例えに使うなんて……。そもそも、感染拡大で大変な時に、知事選どころじゃないでしょう。自民党の県会議員は、県民のためではなく三反園さんのために政治家をやってるんですね。学校に行けなくなった子供を抱える子育て世代が、どれだけ大変な思いをしているのか、まるで分っていない。最低!」
【枕崎市の40代女性・会社勤務】 「呆れた。鹿児島県内に感染者がいないから、事態を甘く見ているんでしょう。安倍政権の初期対応と同じですね。危機管理能力ゼロ。“勝手に知事選やってろ”という感じです。なんでこんなのが議員やっているのか……。税金払うのがばかばかしくなります」
自民党鹿児島県議団の“常識外れ”は、発言だけではない。昨年春の鹿児島県議会議員選挙で候補者らが作成した選挙用ポスターの公費助成を巡っては、38人いる自民党県議団のうち4割以上となる16人が満額請求していたことが判明。1枚あたり単価の最高となる4,400円という法外な額(自民党の最低額は200円台)のポスターを作成していたのが、枕崎市区選出の西村協県議だった。
--ハンターニュース6日より転載
橋ーー上論に全面賛意します