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無能!政権

錯乱しているとしか言いようがない。この政権に任せていたら、新型コロナウイルスの感染拡大を止めることは無理だ。  安倍首相が5日の政府対策本部会合で唐突にブチ上げた、中国、韓国からの入国者に2週間の待機を求める制限強化に、案の定、現場は振り回されている。

 今ごろになって入国制限をかける意味が分からないし、中国の習近平国家主席の訪日延期と同時に発表されたことにも政治的思惑がチラつく。今さらの入国制限にどれだけの効果があるのか。科学的な知見に基づいているとは到底、思えない愚策だからだ

だ。

もはや頭がおかしくなっているとしか思えない。失点挽回と政治的アピールのため国民の私権を制限する緊急事態宣言に向けて動き始めた安倍首相だが、今度は、中国と韓国からの事実上“全面入国拒否”をぶち上げた。中韓両国を対象に発行済みのビザの効力を停止、両国からの入国者全員について、検疫所長が指定する場所で2週間待機することを要請するという。

 排外主義的という批判の前に、これ、一体何の意味があるのか。自分たちがクルーズ船のずさんな管理、検査・治療体制の整備放置で、国内感染を拡大させ、いまや国内在住者から国内在住者への感染が主流になっているのに、いまさら中国や韓国からの入国者を拒否してどうしようというのか。そんなことをする暇があるなら、治療体制の整備や一斉休校の補償、マスク確保などをきちんとやれ、という話だろう。

 実際、政府対策本部の専門家会議メンバーの押谷仁・東北大教授は東京新聞の取材に「何も聞いていなかった。今はそうしたことをする段階なのだろうか」「まずは国内の対策に力を入れるべきではないか」と疑問を表明している。

 しかも、安倍首相が打ち出した2週間の待機先についても情報が錯綜。政府の施設や医療施設に「隔離」するという報道がある一方、自宅やホテルで待機するよう要請するという方向だという報道もある。この混乱状況をみても、結局、一斉休校要請と同じで、後先考えない場当たり的な方針だということは明らかだ。

 この期に及んで、こんなトンデモ政策を打ち出すとは、安倍首相のオツムは「中国人の入国拒否さえすれば、新型コロナの感染は食い止められる」などとわめいている情弱ネトウヨと変わりがないのか……などと思っていたら、そのとおりだった。なんと、あの百田尚樹センセイが、安倍首相の今回の決断は自分たちのアドバイスの結果だと自慢し始めたのだ。政府の中韓入国拒否方針が報道された数時間後、百田氏はこんなツイートをしている。

〈ワシが思うに…… 先月28日の有本香さんの、総理へのカマシが効いたのではないかと。 恐ろしい顔で「ええかげんに中国に渡航制限かけろや!」と恫喝していたからなあ。 隣で黙ってメシ食っていたワシは、思わずションベンちびりそうになった…〉

 たしかに、安倍首相は2月28日、百田尚樹、有本香の両人と会食している。新型コロナ騒動勃発以降、百田は安倍政権が中国人を入国拒否にしないことに腹を立て、批判をエスカレートさせていたのだが、28日、突然〈安倍総理と対決してくるわ。と言うても別にケンカするわけやない。至誠天に通ずるか!〉とツイート。そして、この日の夜20時に有本香とともに公邸に入り、1時間以上にわたって食事を楽しんだ。

 この日は、唐突な一斉休校要請が打ち出された翌日で、国民は大混乱している最中。にもかかわらず、安倍首相は専門家のレクチャーを聞くでもなく、現場の声をヒアリングするでもなく、中国ヘイトを喚き立てているだけのド素人ネトウヨ論客のご機嫌取りに時間を費やしたのだ。

 これだけでも一国の総理とは思えない行動だが、まさかその会食の席で、中国人の入国拒否を決断したとは……。百田は冗談めかしたネタ話にしていたが、ツイートの内容からすると、3人が中国人の入国拒否について語り合っていたのは間違いないだろう。実際、百田・有本のヘイト仲間である石平はこんなツイートをしていた。

〈政府が中韓からの入国制限に踏み切った背後に百田尚樹・有本香両氏の功労があった。28日にお二人が安倍首相と面会したことは急展開のターニングポイントのはずだ。ご自分のことを厳しく批判した人の意見に耳を傾けて正しい方針転換を行なった安倍首相はリーダーとして素晴らしい!本当に良かった!〉

国民の健康や生命を守ることよりも極右応援団の排外主義実現に必死な安倍首相

 もっとも、永田町のこの“百田、有本が安倍首相に中韓入国拒否を決断させた”説については、「たんに百田氏が自慢話として話を盛って吹聴しているだけ」という見方もある。

「安倍首相が中国、韓国の入国拒否を決めたのは百田氏らと会う少し前。むしろ、この方針を決めたからこそ、百田氏らに会う気になったんだろう。中国への弱腰を批判していた百田氏らに報告し、なだめるための会食だったんじゃないか」(全国紙政治部デスク)

 しかし、安倍首相が中韓入国拒否を決断したのが百田氏らとの会食前でも会食後でも、安倍首相のその“決断”が極右勢力の顔色を伺うものだったことにかわりはない。

 この間、極右安倍応援団は一貫して中国ヘイト、中国人の入国拒否を叫んできた。前述した百田や有本だけでなく、櫻井よしこ、高須克弥、門田隆将、青山繁晴、、そして『Hanada』(飛鳥新社)や『虎ノ門ニュース』(DHC)などの極右メディア……。

 もちろん、連中の目的は新型コロナ感染拡大を食い止めることなどではなく、たんに自分たちの中国ヘイトと排外主義を発露したいだけだ。それは、彼らが国内感染が広まり続けたあとも中国人入国拒否を叫び続け、「中国肺炎」(百田尚樹)や「武漢ウイルス」(櫻井よしこ)、「武漢熱」(青山繁晴)などと、WHOが差別を招くとして避けるべきとしている国名・地域名をつけた病名をわざわざ連呼していることからも明らかだろう。

 しかし、こうした中国ヘイト丸出しの入国拒否論は少しずつ、中国人の入国拒否をしない安倍政権への不満に転化しつつあった。有名人やメディアは官邸からおいしい餌を分け与えられているためか、百田のように直接的に安倍政権を批判した者はそう多くなかったが、一般のネトウヨや右派勢力の間では安倍政権への失望感が広がり、激しい批判をがなりたてるものも増えていた。「安倍首相は自分の支持基盤である右派からの批判が広がっている状況に相当焦っていた。緊急事態宣言にこだわったのも、いまになって入国拒否を打ち出したのも、明らかに右派対策。実際、この2つとも、安倍首相が独断で決めたものだからね」(前出・全国紙政治部デスク)第1次政権で自分の支持基盤である右派に見限られて辞任に追い込まれたことにトラウマがある安倍首相は、右派の批判を異常に気にするところがある。だから第2次政権では、重要な政策決定の際には必ず、この極右応援団の顔 

色をうかがってきた。ようするに、今回もその延長線上で出てきたものなのだ。

菅官房長官はきのう6日の参院予算委員会で、中韓両国からの入国制限は政府対策本部専門家会議での協議を経ていないことを白状した。会議にはかけていないが、「専門家から意見を聞いたのは事実だ」とも言っていた。

こんな危機状況でも、国民の生命や健康を守ることより、極右勢力やネトウヨ受けだけを考えている総理大臣。そして、その排外思想の具現化はコロナ対策にまったく意味がない。それどころか、ネトウヨの支持を取り戻したことで、本当に必要な国内の検査体制や治療体制への批判封じ込めの動きがより活発になり、さらに対応を遅らせてしまう可能性すらある。もはや、この国は事実上“ネトウヨ”に乗っ取られていると言っても過言ではないかもしれない。

(編集部)ーーリテラ6日より転載

橋ーー上論に賛意します

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