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望月「呆れたアベ」


 新型コロナウイルス対策が後手に回り、「桜を見る会」前夜祭の領収書問題で内閣支持率が急降下中の安倍晋三首相(65)。最近は国会でも、野党議員の質問に腹を立ててヤジを飛ばし、“品格” が問われている。  とはいえ、在任期間が憲政史上最長となった安倍首相、褒めるところはあるはず――。というわけで、鋭く政権を批判してきたジャーナリストたちに、「あえて首相を褒めてみてください」と依頼した――。 今回は、菅義偉官房長官に執拗な質問を重ね、“会見バトル”を展開し、安倍官邸に “天敵” と呼ばれる東京新聞の望月衣塑子記者(44)。「桜を見る会」前夜祭の問題で、嘘がばれてもへこたれない安倍首相の “強さ” は、「褒めるしかない」と笑う。 「あれは、“学習しない強さ” といえます。学習しないということは、ある意味、無敵。言い換えると、『1+1=2だ』と言われても、『いや、3だ』と言い続けられる強さです。 国会の答弁でも、なにかにつけ、『安倍事務所が、安倍事務所が』と、水戸黄門の印籠みたいに強弁する。そんな珍答弁を続けて、相手をあきらめさせてしまうんです」 また望月氏は、こう唸る。 「安倍官邸による、メディアの分断を煽る戦術も、本当にたいしたものだと思います」  望月記者が特に問題視しているのは、政治部記者が政治家を囲む夜のオフレコ懇談、通称 “オフ懇” の、菅氏の扱い方だ。 記者会見では聞けない情報が得られることから、これをあてにする政治部記者は少なくない。だが、安倍政権の屋台骨たる菅氏は、オフ懇を交渉カードにして、メディアを翻弄しているという。 「2019年のことですが、菅氏と番記者たちとのオフ懇でのやり取りを、ある週刊誌が取り上げた。すると、菅氏は『番記者が週刊誌にリークしたのでは』と大激怒。以降のオフ懇では、各社の記者が、携帯電話とICレコーダーを紙袋に入れて提出……なんて、笑っちゃうようなことが起きていたそうです。 2020年1月22日の定例会見では、私の前で質問が打ち切られたので、『会見で不当な扱いを受けている』と抗議しました。そしたら菅氏は、オフ懇を突如やらなくなった。 オフ懇がなくなったら困る記者たちは、『望月の不規則発言をなんとかしろ』と怒ってきたんです。菅氏の狙いどおりになりました。しかし、私がその内幕をツイッターに投稿した日の夜、オフ懇が解禁されたそうです」  安倍官邸は、メディア内の “安倍シンパ” を上手く利用するという。  「保守系のメディアは、官邸が嫌がるようなことを、さほど執拗に報じません。だからこそ官邸は、リベラルな論調の新聞社や、テレビ局にいる “安倍シンパ” を重用すると聞きました。  TBSにいた山口敬之氏がその好例です。フリージャーナリスト・伊藤詩織さんから性暴力被害を訴えられるまでは、テレビ番組に出演しては、首相寄りとも聞こえるような発言を繰り返していました。  安倍総理は野党時代に学んだのか、第2次政権では、記者やメディアの選別をより徹底しています」官邸によるメディアの分断には、どう対抗すればいいのか。望月氏は、「SNSによる市民型の発信メディアに希望がある」と語る。 「いまはネットで火がつけば、マスメディアもそれに追随せざるを得ない。そこで盛り上がるものは、人の心に必響きます。権力と記者の近すぎる関係が、こうしたSNSなどを駆使したメディアによって透明化されていけば、官もやりづらくなるはずです」

   ーー週刊フラッシュ1日より転載

橋ーー望月氏を励ます手紙を本日送る予定です。

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