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パンデミック・緊急対策


食料は3日から1週間分×家族の人数分

 新型肺炎の感染が広がるなか、ソニーや富士通、NTTなど大手企業が続々とテレワークや時差通勤を推奨し始めた。沈静化への見通しが立たない以上、リスクを避けるには自宅待機が安心だろう。感染防止には仕事だけでなく、外食や買い物も最低限にしたい。今のうちに「備蓄」をするのが得策だ。

 パンデミックが起きれば、メーカーは製品の生産ができなくなり、運搬や販売もままならなくなる。市場が回らなければ生活は成り立たない。  厚労省の新型インフルエンザの被害想定によれば、パンデミックのピーク期間は「約8週間」とされる。となれば、この間は、物流もストップ。僅かな在庫を求めて、スーパーやコンビニには客が殺到し、ネット通販もパンクする――。そんな事態が目前に迫っており、必要最低限の備蓄はしておいたほうがいい。〈別表〉は専門家の勧める備蓄品の一覧だ(2月20日調べ)

 マスクは品薄とはいえ、通販ではたまに割安価格商品の在庫が確認できるので、こまめにアマゾンのHPなどをチェックしておきたい。 備え・防災アドバイザーで「ソナエルワークス」代表・高荷智也氏は言う。「新型肺炎の感染予防には人混みを避けることも必要。『備蓄』で買い物の回数を減らせます。あくまで最悪に備えた準備ですが、地震や暴風雨などの災害も増えていますから常備して損はありません」 目安は、家族全員が順番に体調を崩したことを想定し、1人当たり3日~1週間分の食料。人数分の経口補水液やおかゆなどのレトルト品、アイスノンや熱さまシートなどを用意。見逃しがちだが、停電や断水は生じないだろうが、ゴミ回収が遅れる恐れもあるため袋は多いとよい。 また、ビタミン剤とプロテインなどの栄養剤も役に立つ。。

「状況が悪くなると野菜などの生鮮食品や生ものの入手が困難になる恐れがあります。ビタミンやミネラル不足に陥らないために錠剤を購入しておいたり、タンパク質の補充にはプロテインがいいでしょう。プロテイン入りゼリーやバーもあります。チョコレートやフルーツなど味の種類もさまざまで食べやすいです」(高荷智也氏)  免疫力が高まるビタミンDを摂取するにはサバやニシンなどの缶詰もいい。  そのほか、買い物が難しくなるので、子ども用のおむつや介護用品、ペットのエサなどの補充もしておくと安心だ。  常備薬も必要だ。新型コロナウイルスに限らず、この時季は風邪やインフルエンザの可能性もある。病院が混雑して行けないことも考慮して、胃薬や解熱剤の在庫は確認しよう。  ただし、37・5度以上の発熱が4日以上続く場合(解熱剤を飲み続けなければならない状況も)のときは、飲む前にかかりつけ医か「帰国者・接触者相談センター」に問い合わせること。  厚労省のHPから最寄りの保健所の電話番号を調べることができる。

人ごみに行ったときは手袋を

 やむを得ず人混みに行った際は、帰宅後は手洗いのほかにアルコール消毒をする。次亜塩素酸ナトリウム(1000ppm)も有効。これは「キッチンハイター」などの家庭用除菌剤のことで、250倍に薄めたものを玄関や洗面台、台所に置いておこう。

 また、室内の場合、テレビのリモコンやドアノブ、スイッチなどを介して感染する可能性を指摘されている。ペーパータオルやキッチンペーパーなどでその都度、拭いておくと安心だ。ウイルス学が専門の中原英臣氏(医学博士)が言う。 「使い捨てがベストですが、乾いたタオルで拭いた場合は、使用後に洗濯機に入れる前に10分程度熱湯に浸してください。衣類も同じで、劇場や講演会など多数の人に会ったときは熱湯消毒してから洗濯すると滅菌できます」  中原氏はマスクによる予防よりも、素手で公共物を触ることを懸念する。電車やバスのつり革、エレベーターのボタンなどは不特定多数の人が触れているからだ

「外出時、特に通勤や通学の電車などでは手袋をしたほうがいい。もちろん、その手で顔に触れないように注意は必要です。帰宅後は手袋も同様に熱湯に浸してから洗濯機に入れましょう」  使い捨てのキッチンビニール手袋も常備しておきたい。

おでんで感染症も吹き飛ばす

 免疫力を高めるメニューとして、たびたびテレビや雑誌で取り上げられる「おでん」。栄養バランスが良くて、免疫細胞の主原料であるタンパク質が豊富に取れたり、野菜から魚の加工食品までさまざまな食材が一度に取れるからという。 コンビニやレトルトなども充実するので、家族でも単身でも手軽に食べられるのもいい。それではどんな具材に栄養素が含まれているのか?  IT系ヘルス企業の「おいしい健康」の管理栄養士の北村文乃氏が言う。 「完全栄養食なのが『卵』です。ビタミンCと食物繊維以外の栄養をすべて含んでいます。食物繊維は、大根、こんにゃく、昆布に入っていますからそちらで補えます。そして、タンパク質を取るには魚肉の練り製品である『はんぺん』や『ちくわ』がおすすめです。タンパク質は鶏肉のイメージが大きいですが、魚肉タンパクは鶏肉よりも脂質が少なく消化がいいです」

大根は食物繊維のほか、カルシウムや塩分の排出を促すカリウムを含み、こんにゃくは整腸作用がある不溶性食物繊維を多く含んでいる。ちなみに紀文の「鍋白書2019」の調査結果によれば、おでんによく入れる具材ランキングは、①大根②玉子③こんにゃく④ちくわ⑤さつま揚げ⑥はんぺん⑦ごぼう巻き⑧餅入り巾着⑨白滝⑩厚揚げとなっている。 人気具材がそのまま免疫力アップにつながる。

    ーー日刊ゲンダイ27より転載

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