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権力対報道考②「南九新聞コラム」文


 前回、総理とマスコミ界首脳との会食を引き合いに、マスコミが権力に近づく事はメディア不信を生むと書いた。

 自費負担の会食だから取材の一環と答える向きもあるだろう。それならば、日本記者クラブが要請し続けている(総理記者会見)をやるべしと主張すべきなのである。折に触れ総理は「懇切丁寧に説明したい」と述べているが二千十三年の会見後七年近く「時間が取れない」との理由から記者クラブ会見要請に応じていない、歴代最長である。  

 もう一つ、昨年末に毎日新聞が発表したのが以下である【安倍首相以下、自民党の閣僚・官僚が、野党などからの質問に対し「答えは差し控える」と、答弁や説明を回避する場面が急増。野田政権時の105回に対し、昨年はおよそその四倍にあたる420回にも及んでいる】というのである。こうした姿勢こそ、〈桜を見る会〉の総理の答えが〈十分に説明しているとは思わない〉の86%という結果に繋がっていると考えられる。政治不信の土壌は権力の傲慢〈ごうまん〉さはもとより、追及する野党の非力に加え、マスコミの取材の弱さにもあると考える。

 話はそれる。鹿児島県にはHPの中で「知事室へようこそ」というのがある。そこでは定例記者会見の動画をアップしている。県政記者クラブの担当幹事社の司会で質問に知事が答えるものだが、リアルで実に面白く、ご視聴を勧める次第。

 新聞の望月記者に話を戻す。彼女は官邸記者クラブに所属する社会部記者である。同クラブには他社では政治部に属する記者が多いらしい。菅官房長官の定例会見の場所となっているが政治部記者は遠慮があるのか控えめな質問であるのに対し、社会部記者の彼女は手厳しい。講演を聴きに行った事もあるがエネルギッシュなだけでなく聡明で、菅氏のモノマネもやるくらいのユーモアもある。一方、菅氏の彼女への不快感は動画でも見て取れるほどである。政権支持派から見れば彼女は無礼千万なのかも知れない、社に脅迫状が届いたそうな。筆者はその時、社に「記者を守れ」と電話した。

 過去に彼女が「辺野古には海水汚染を酷くする赤土土砂が埋め立てに使われていないか」と質問した時、官邸は「誤認に基づく質問は規制せよ」との申し入れを記者クラブに対して出している。これには新聞労連が「官邸からのマスコミ規制は止めるべし」とすぐに抗議をあげている。共同通信も「国民の知る権利を損ねるものであってはならない」と批判を配信したのだが、後ろに奇妙な文を続けたのだ。「望月氏(のスタンドプレイ)に他社も迷惑しており、官邸が機嫌を損ねたら取材不可能になるとの声もある」と。これに即、神奈川新聞が噛み付いた。「発言はクラブ内で解決すべき事。官邸へ忖度するな」と。六時間後この部分は撤回されたそうだ。筆者が南日本に確かめたところ担当は知らなかったので「共同配信が的確かどうか常に厳正にチェックせよ」と、神奈川新聞には「姿勢を評価する」と電話を入れたのだった。ーー13日掲載より

橋ーー「美人」でもない女が「美人官僚」と書かれると腹が立ちますね。オッと、私情が入りました。筆禍かな!バレンタインだからという訳じゃありませんが

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