アベの子狡さ
在任期間で憲政史上最長となった安倍首相。この総理は褒められると喜ぶが、厳しい批判には「オレは何も悪くない」と耳を塞いで聞こうとしない。
ならば、褒めて褒めて褒めちぎろうではないか。そうすれば、褒められることが大好きな安倍首相にも、国民の本当の声、怒りや不満が届きくかもしれない。そこで、望月衣塑子氏(東京新聞記者)に安倍首相を讃えてもらった。
* * * 安倍首相は「桜を見る会」の数々の問題について何を問われても“知らぬ存ぜぬ”で押し通している。
こうした国会対応、マスコミ対応が成り立っているのは、常日頃からの「記者選別」「メディア選別」がきっちりしているからだと思います。
安倍首相は、お気に入りの記者には、直前に情報を与えてスクープを出させているとも聞きます。情報を取りたい記者は、必然的に何とか安倍首相に好かれるようにするために首相にとって都合の悪い追及は見て見ぬふりをしてしまう。結果、安倍首相が絡む報道が、全体として甘くなっているという状況が生じている。
最近、首相と各社の官邸キャップとの懇談が急遽、開かれました。若手の首相番記者たちは桜問題で首相からコメントを聞き出そうと必死な時なのに、関係者の話では、「一体、桜に総理があれだけ人を呼んで、何が悪いんでしょうか」と首相を持ち上げていたキャップもいたと言いますから、もう言葉がありません。
7年かけて現場の記者やメディアの官邸批判を弱め、厳しい追及を回避しているこの戦術、まったくもって大したものだと思います。
※週刊ポスト2019年12月20・27日号より転載
橋ーータイトルはこずるさ と読みます