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日本経済の先行き不安


日本経済の頼みの綱である輸出とインバウンド。米中貿易戦争の激化と日韓関係の悪化で、その雲行きが怪しくなってきた。そこに、10月の消費増税が追い打ちをかける。日本経済は、どこにも光明が見いだせないトンネルに突入しようとしている。  トランプ米政権は1日、制裁関税4弾を発動。テレビや衣服、靴など中国からの輸入品1120億ドル(約12兆円)分に追加関税率15%を課したが、中国は涼しい顔をしているという。

「先月、11年ぶりに1ドル=6元台から7元台に突入しました。現在は7.15元付近ですが、7.2~7.3元になれば、第4弾の関税はチャラにできるとの見方があります。これまでの米国の制裁関税は、元安が進んだため、中国にはそれほど打撃になっていない。米国の制裁が続けば、さらなる元安は避けられません。困るのは日本の輸出企業です」(金融ジャーナリスト・小林佳樹氏)

円に対する元安もすさまじい。2015年には1元=20円前後だったが、直近は14.8円。25%も下落している。これは、1ドル=110円が82円になるくらいのインパクトである。何と言っても、日本の輸出相手国1位は中国。これ以上の元安(円高)は、日本の輸出企業に痛手だ。 「さらに、元安は中国人訪日客を遠ざけ、日本での爆買いも抑えられるでしょう。昔は日本に来て100元出せば、2000円の商品が買えたのに、今は1500円ですよ」(小林佳樹氏)  昨年の訪日観光客3119万人のうち、中国は838万人でトップ。元安で中国人にソッポを向かれる日が近いかもしれない。 内需も外需もメタメタ  日韓関係の悪化で、対韓ビジネスも厳しい。昨年の訪日客数で2位は韓国の753万人だったが、7月は前年同月比7.6%も減っている

 加えて輸出がヤバイ。韓国は輸出相手国3位の上客だ。安倍政権が7月に発動した対韓輸出規制を機に、韓国企業が国産化に猛進。早くも成果が出つつあるのだ。  韓国が対日輸入に頼っていた高純度フッ化水素について、韓国のパネルメーカー大手「LGディスプレー」が、国産品代替に成功したという。1日、複数の韓国メディアが報じた。今月中に生産工程に適用するとのことだ。  また、輸出規制の対象品ではないが、韓国の国家核融合研究所は8月29日、日本から全面的に輸入していた半導体コーティング素材「酸化イットリウム」を開発したと発表した。経済ジャーナリスト・井上学氏が言う。

「輸出規制を強化した3品目に限らず、日本への依存度が高いすべての材料について、韓国企業は躍起になって自社開発や他のサプライソースを開拓しているはずです。韓国政府も予算をつけているようですが、企業として、安定供給の観点からは“脱日本”に向かうのは当然の対応です」  頼みの輸出とインバウンドが下火になれば、これから日本は何で稼ぐのか。

      --日刊ゲンダイ3日より転載

橋ーー加えて、10月より消費増税、さて泥沼化か!

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