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地上イージス配備の嘘・後


秋田県秋田市と山口県萩市に配備予定の陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の“正体”が次々に明らかになってきた。総額6000億円超もの血税を費やす可能性もある無謀な計画は純然たる「アメリカ・ファースト」。決して北朝鮮のミサイルから本土を守るためではない。そんな“アメリカ様”にすがり、安倍首相と菅官房長官の“ゆかりの地”には「おこぼれ利権」がもたらされることになるのだ。  ◇  ◇  ◇  防衛省は昨年6月、秋田市の陸自「新屋演習場」を配備候補地に選定した。その後の調査で「不適」と判断される場合に備え、改めて「広さ約1平方キロメートル以上で起伏が少ない」などを条件に秋田を含む3県の19カ所を適地調査し、今年5月、うち9カ所に「レーダーを遮蔽する山がある」と報告。新屋以外を「不適」と判断した。ところが、報告書の数値に過大記載が発覚。岩屋防衛相はきのう(6日)の衆院安全保障委員会で「単純ミス」と釈明した上で。

 調査対象の秋田県男鹿市の石油備蓄基地では、付近の山を見上げた時の角度を示す「仰角」について、「15度」と報告していたが、実際はたった「4度」。4倍近い開きがある。他の地点も2~5度分過大に計算されていた。  防衛省はレーダーの妨げにならない水準を「10度未満」としていたが、報告書では過大記載の結果、9カ所全てで10度を大幅に超えた。つまり、レーダーを遮蔽する山岳があると報告していたのに、実際はそんな急峻な山はなかったのだ。  この捏造まがいの報告に、地元では「新屋ありき」「ミスじゃなく、データが意図的に改ざんされた」との声が噴出。ただでさえ新屋演習場の周辺には住宅が密集し、「攻撃対象になったら大変」と不安視される中、その声を無視して防衛省が新屋に配備したい真の理由は、「米軍基地の防衛」だ  秋田大学工学資源学部の福留高明元准教授(71)は昨年8月1日、自身のフェイスブックに〈秋田市および萩市は、(北朝鮮のミサイル発射基地)舞水端里と米軍の最重要軍事施設のあるハワイ島およびグァム島を結ぶ直線(大円軌道)の直下、すなわち技術的にもっとも迎撃しやすい位置にある〉と指摘。要するに、防衛省は米軍施設防衛を優先し、新屋以外の地点に「×」をつけた可能性があるのだ。改めて福留氏に聞いた。

「仰角4度といえば、遠くの方に山並みがうっすらと見える程度ですが、15度となると、眼前に険しい山肌が立ちはだかるレベルです。一目見れば分かります。単純ミスなどあり得ません。『新屋しかない』と地元の人たちを納得させるため、お手盛り調査でゴマカしたのでしょう」  それだけじゃない。総額6000億円超もの血税をつぎ込む可能性のあるイージス・アショアの周辺施設の建設や、維持管理などに関われば巨大な利益を生むのは想像に難くない。秋田は菅氏の出身地であり、山口は安倍首相の選挙区だ。安倍首相・菅氏の“ゆかりの地”がトランプ政権の兵器押し売りの「おこぼれ利権」で潤うに違いない。  事実、米軍の新基地建設が進む沖縄・辺野古では、利権構造がデキ上がっている。安倍首相と近い総合化学メーカーが大株主のセメント製造会社が土砂の運搬を請け負い、地元政治家とズブズブの建設業者が工事を受注しているのだ。  菅氏はイージス・アショアについて「わが国を24時間365日、切れ目なく防護するために必要な装備品」と言っていたが、なんのことはない。“アメリカ様”の基地防衛に巨額の血税をブチ込み、「おこぼれ利権」にすがろうというのだ。こんなフザケた計画は即刻、中止すべきだ。--日刊ゲンダイ6日より転載

橋ーーわかりやすい正論。全く賛意します

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