私、コーヒー党なんです

ハックルベリーとジニスコーヒー

幸せだなぁと思う瞬間が日に二回はある。朝、最初のコーヒー、もう一つは晩酌で最初のビールを口にする時である。前の秘造酒論でノンベェの左党と思われたかもしれないので今回は「私、コーヒー党です」論。おつきあい願えれば幸いです。

　まずお断わりから。故郷は有明町である。お茶畑の広がる地で叔父土橋純孝氏は茶を栽培し茶製造業もやっている。父が残した茶園は「環境に優しい」お茶生産を広くしている和香園さんに委託して新茶の季節には知人達に送呈して喜ばれている。

　新茶の季節です、ご進物にいかが。

　されど私コーヒー党でもあるのです。理由は下手な執筆活動の為で、創作中は日に十杯以上のコーヒーになる理由は、カフェインが古びた頭を活性化してくれると信じているからです。コーヒー好きを知った友人達から頂戴したストックは日に十杯飲んでも一年分くらいある。焼酎と異なり、こちらは劣化が心配なのだが。

　さて創作執筆が佳境に入る頃には自分を鼓舞の意味で、やや贅沢なコーヒーにします、キリマンジャロやブルーマウンティン等。コミック「岳」の主人公「三歩」もコーヒー党でしたが、真似て元山男の自分も、上質のこれらが力をくれると思ってます。

そして創作も完成間近となると、自分にとって最高ランクのコーヒー「ハックルベリー」と「ジニス」です。どちらもテレビ紹介があったコーヒー名店なのである。

　湧水町にカフェのある「ハックルベリーコーヒー」は原産地中南米からの無農薬の生豆を、手作業で直火焙煎したもので、コクが深くコーヒー本来の香りに名峰霧島の清々しい香りまで届くような至福の気分を味わわせてくれる。工房自慢の湧水町の源泉水で戴けないのが残念なのだが。このお店の水出しコーヒーを味わいに行くのが秘かな夢である。遠方の方は湧水町の電話でお問い合わせの上、ご来店を。地方発送もしてます。

「ジニスコーヒー」店は鹿児島の西郷銅像に隣接する石倉カフェである。マスターでブラジル人のジニス氏は本国で歯科医師資格を持つ傍(かたわ)ら、鹿大留学時代に知り合った薩摩娘に魅かれて結婚、カフェ店開設となった。手作業で欠陥豆を除去し、焙煎にも拘(こだわ)って香り高く甘くフルーティなコーヒーを提供している。ＨＰ(ホームページ)「ジニスコーヒー」から発送依頼もできる。ここのコーヒーとブラジリアンスイーツの組み合わせを味わいたい、が秘かな夢である。

　執筆完成後には自分への褒美がある。甘いデザートと一緒に戴くのが「菊芋コーヒー」だ。南大隅町の「なんたん市場」で入手できるこれは血糖値抑制効果のあるスグレモノなのである。糖分を気にしないで甘いものが戴けるとは最高のコーヒー贅沢ではないか。本当に左党なのかって？　あれ？　今回は紙幅の関係で二店紹介となったが、県内には他にもカフェ名店が多くある。私の基準はコーヒーの旨さは勿論、心安らげるカフェさんです。ーー２５日「南九州新聞」掲載