アベのトランプ媚び
圧力路線のはしごを外されると一転、平和賞推薦の無定見
「私は日本を代表して、敬意を込めてあなたを推薦しました」――いやはや驚きだ。トランプ米大統領が15日の記者会見で、安倍首相から北朝鮮問題でノーベル平和賞に推薦されたと唐突に明かしたことが、波紋を広げている。 トランプは、安倍がノーベル賞委員会に送ったという5ページの「美しい書簡」のコピーを安倍から受け取ったと語ったが、米メディアは疑心暗鬼。「ノーベル賞はトランプ大統領が受け取るべき」と語っていた韓国の文在寅大統領と混同しているとの臆測も流れたが、複数の日本メディアは17日、政府関係者が推薦は事実と認めたと報じた。18日の国会で真偽を聞かれた安倍は「コメントを控えたい」とトボけたが、否定はしなかった。「露骨なゴマスリにはビックリ仰天だ。
南北会談の実現を探っていた韓国を「ほほ笑み外交にダマされるな」とクサし、昨年の平昌五輪の開会式で文大統領に「北への圧力強化」を直談判したのも安倍である。 ところが、南北会談が実現し、昨年6月に米朝首脳会談がセットされると、トランプも「今後、『最大限の圧力』という言葉は使いたくない」と融和ムードを演出。完全にはしごを外された安倍は、手のひら返しで米朝会談実現を歓迎し、ついにはトランプをノーベル平和賞に推し、必死で“ご主人”にすり寄ったのだ。ご都合主義を絵に描いたような“ポチ”だ。 「米朝関係の平和的解決を望む国際情勢の『地殻変動』を見誤り、カヤの外に置かれると、取り繕う手段はトランプ大統領にへつらうことだけ。安倍外交は情報力も分析力もなく、行き当たりばったり。そのクセ、拉致問題解決を『内閣の最重要課題』と強調しながら、支援を仰ぐ韓国を見下し、強硬姿勢で率先して対立をあおる。もう、支離滅裂です」(政治評論家・森田実氏) 安倍の無定見と二枚舌には言葉が出ない。
日本上空のミサイルリスクがなくなったのであれば、イージス・アショアなど購入不要
トランプ本人は、安倍からノーベル賞に推薦された理由として、「かつて日本は上空をミサイルが飛び交い、頻繁に警報が鳴っていたが、今、彼らは安全を実感している。それは私が北朝鮮と話をつけたからだ」と自慢げに語った。だとしたら、米国に大枚をはたいて地上配備型ミサイル防衛システム「イージス・アショア」を購入する必要などないではないか。 維持費やミサイル費を含めれば、イージス・アショア2基の導入費は6000億円超とも指摘される。配備候補地の秋田・山口両県では、住宅に近いイージス・アショアが攻撃目標にされたり、レーダーの電磁波が健康に害を及ぼすとの不安が根強い。それでも安倍はお構いなしで、「陸上なら隊員が自宅から通える」とご託を並べ、何が何でも導入ありきだ。 官邸がトップダウンで購入を決めた目的も、トランプにシッポを振るためだ。仮に北朝鮮が弾道ミサイルで米太平洋司令部があるハワイを攻撃した場合、津軽海峡上空を飛翔する。候補地の秋田市の新屋演習場はその軌道の近く。在沖海兵隊の移転先であるグアムに放てば中国・四国地方の上空を飛んでいく。同じく候補地の萩市のむつみ演習場は、その軌道のほぼ真下にある。本土防衛など建前で、トランプへの税金献上と米軍施設を守るために購入するわけだ。
2017年に核・ミサイル実験を繰り返していた北朝鮮に、同年9月の国連演説で「対話による問題解決の試みは無に帰した」「必要なのは対話ではない、圧力だ」と言い放ったのは、安倍だ。
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導入すれば、ロシアはイージス・アショアの攻撃転用を疑い、北朝鮮からも敵視される。要は日本本土が狙われるリスクを高めるだけ。105機を追加購入し、計147機とするF35戦闘機も維持費を加えると、総額6.2兆円超。トランプ氏の顔色をうかがって、米国製のムダな高額兵器に湯水のごとく出費するのはいい加減、やめるべきです」(「使ってはいけない集団的自衛権」の著者で経済アナリストの菊池英博氏) ポチ首相はちょっとは国民のために税金を使ってみたらどうか。
トランプの要請にホイホイ応じた卑しさ軽さ、暴露されているアホ丸出し
17日の朝日新聞によると、驚くことに安倍は米政府から非公式に依頼を受け、昨秋ごろノーベル賞関係者にトランプを推薦したという。この報道はロイター通信などを通じて世界中を駆け巡っている。 今なお、1回目の米朝会談で話し合われた北朝鮮の「非核化プロセス」は全く進展していない。北の核放棄が分からない段階で、ボスの要請にホイホイ応じた安倍の卑しさ、軽さを思うと、クラクラしてくる。前出の森田実氏はこう言った。 「ここまでして、トランプ大統領にとことんへつらう安倍首相は、もはや奴隷同然。トランプ大統領は就任以来、世界中を引っかき回し、紛争を仕かけ、INF離脱で核戦争の恐怖すら与えています。平和賞に最もふさわしくない人物を推薦する首相は『今だけ、自分だけ、トランプだけ良ければ』の究極のゴマすり男です。世界から軽蔑されるだけで、勝手に日本を代表するなと言いたい。日本人として恥ずかしくて情けない限りです」
「かつてないほど強固な日米同盟」とうそぶく安倍にとって、トランプのノーベル平和賞推薦にためらいも迷いもないのだろう。18日の国会答弁でも安倍は、ノーベル平和賞の推薦についてはコメントを避けたが、米朝首脳会談については「(トランプの)果断な対応」と持ち上げていた。ここまでトランプに忠誠をつくしながら、トランプの自己都合で推薦を暴露されるアホ丸出し。情けないったらありゃしない。ーー日刊ゲンダイ2/18より
橋ーー20日つけ南日本新聞社説はアベのトランプノーベル平和賞推薦を
「追随にも程がある」との厳しい論だったので、賛同するのテレ入れました