北方領土と沖縄辺野古
北方領土と沖縄辺野古を考える
「北方領土の日」の政府主催集会の様子をニュースでみた。従来の「固有の領土である四島の一括返還」論が明らかに後退しているのに納得がいかなかった。ロシア国民の返還への強い反対意見がプーチン氏の背景にあるとするならば、わが国も同様に四島一括返還を望む強い元島民世論がある事を堂々と主張してこそ外交交渉と言えるのではないか。「相手を刺激しないよう」と島民を宥める弱腰姿勢は相手から足元を見られる事になりかねまい。実際、そのプーチン氏から「沖縄の米軍基地は住民の撤去の声にもかかわらず整備が進んでいる。日本の主権はどの水準にあるのか」と言われて、総理が反論した様子もない。二代続いて新基地建設反対知事を誕生させた県民の意思を背景にして基地の再交渉を米側とした事も無く、「対話を積み重ね」るどころか、土砂が積み重ねられているのが現状だ。この間、百十名をこす行政法研究者、百二十をこす憲法学者が辺野古新基地建設は法令違反として声明を出した。政府は二十四日の県民投票までの間は工事を中止し、民意を見たのちに県知事、米当局と再交渉してほしいと願う。それが真に「沖縄に寄り添う」事である。
橋ーー2/13南日本掲載でした