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F35は不要


 政府は航空自衛隊の主力戦闘機F15の後継に米国製ステルス戦闘機「F35」を105機購入する方針を固めた。42機は新たに導入する短距離離陸・垂直着陸型「F35B」で、「F35」は既に購入を決めている42機と合わせて計147機体制となる。価格は1機143億円、維持費は毎年10億円以上(30年運用)の「F35A」よりも高額とみられ、今後、兆円単位の税金が投じられることになる。  日本の防衛に不可避であればやむを得ない。しかし、実態は「国家の高額なおもちゃ」である。確かに、中国やロシアが保有する戦闘機よりも性能は優れているだろうがそれだけでは戦う体制は整わない。

米国の安全保障関連シンクタンク「ランド研究所」は2015年、「アジアにおける米軍基地に対する中国の攻撃」と題した極めて重要なリポートを発表した。内容は次の通りだ。

〈中国は軍事ハードウエアや運用能力において米国に後れを取っている〉 〈中国は自国本土周辺で効果的な軍事行動を行う際には、全面的に米国に追いつく必要はない〉 〈特に着目すべきは、米空軍基地を攻撃することによって米国の空軍作戦を阻止、低下させる能力を急速に高めていることである〉 〈中国は今日最も活発な大陸間弾道弾プログラムを有し、日本における米軍基地を攻撃しうる1200発のSRBM(短距離弾道ミサイル)と中距離弾道ミサイル、巡航ミサイルを有している〉 〈ミサイルの命中精度も向上している〉 〈台湾のケース(実際上は尖閣諸島と同じ)は嘉手納空軍基地への攻撃に焦点を当てた〉 〈2017年には、中国は嘉手納基地を16~43日間閉鎖させることができる〉

〈ミサイル攻撃は米中の空軍優位性に重要な影響を与える。それは他戦闘分野にも影響を与える〉  つまり、米軍ですら米軍基地の滑走路を攻撃されれば戦闘機は飛ばせない。空母も同じだ。 それは当然、航空自衛隊にも該当する。1200発の短距離弾道ミサイルと中距離弾道ミサイル、巡航ミサイルを防ぐ手段はない。戦闘機の大量購入は国家の役に立たないのだ。 日本は今、社会保障費や教育費などの予算が逼迫している。役に立たない戦闘機に多額の税金を投じている場合ではない。にもかかわらず、なぜ、購入するのかといえば、安倍首相がトランプ大統領にいい顔したいからだろう。ーー日刊ゲンダイ22転載

橋ーー元外交官、防大教授孫崎亨氏の論を支持します

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