ウーマン村本の沖縄論を支持す
ウーマンラッシュアワーの村本大輔が関係の深いあの名物番組に痛烈な批判を繰り広げて話題になっている。
その番組とは『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)。8月31日深夜放送回は「激論!“人工知能・AI社会”と日本」と題して「将来的に日本の雇用はAIに奪われてしまうのか?」「その際の働き方はどのようになるのか? 国民の生活はどうなるのか?」といった問題について討論が行われた。
それに対して、村本は『朝まで生テレビ!』放送中にツイッター上でこのような文章を投稿した。
〈おれとの約束守って沖縄やってくださいよ。沖縄のスペシャルやるって約束したでしょう。慰霊の日も、知事選も無視。いま沖縄やらないでAI? ほんとにくだらない〉 〈いまは沖縄やれよ、朝までバカテレビ〉 〈沖縄やれよ いま沖縄やらずにAIって〉
8月8日に翁長雄志沖縄知事が亡くなり、沖縄を取り巻く環境が激変しているなか、急務とは思えないAIを取り上げることに村本は疑問を投げかける。
ご存知の通り、村本と『朝まで生テレビ!』といえば浅からぬ関係がある。そして番組内で村本は確かな仕事をしてきた。
たとえば、「安倍政治と日本の平和」をテーマにした2017年8月11日放送回では、北朝鮮に対し「圧力」一辺倒で「対話」に舵を切ろうとしない安倍政権を「安倍さんに対していろんなニュースを見て思うのは、みなさんにぜひお聞きしたいんですけど、やっぱりこう、戦争の臭いがプンプンする人な気がする。戦争臭というか。それがずっと感じるのが怖さみたいなのがあって」と指摘した。
⚫️沖縄基地問題も自民党総裁選もスルーして、AIを特集した『朝生』
さらに、山本一太議員が、拉致問題を例に「日本人みんな基本的に北朝鮮嫌いですよね?」と言うと、村本はすかさず「ぼく、嫌いじゃないです」と返答。そして、日本の加害責任にまで言及するこのような意見を述べたのだった。
「ぼくの友だちが北朝鮮の学生とこのまえ喋ったときに、日本のね、北朝鮮の拉致問題の話をしたときに、だったら日本はそのまえに北朝鮮を植民地にしているじゃないかと。なんで自分たちの都合のいいところだけ切り取るんだということを喋っていたんですよ。それで『嫌い』って、都合いいなって思うんですよね」
ネトウヨからの炎上も恐れず、危ういトピックにまで踏み込んで議論に臨む姿勢を買われてその後もたびたび番組に出演していただけに、村本の〈朝までバカテレビ〉とのツイートには驚きの声もあった。
しかし村本の批判は、まったくその通りとしか言いようがない。いったなぜ今AIが討論テーマなのか、甚だ疑問だ。村本の指摘する通り、翁長雄志沖縄県知事の死去、辺野古新基地の埋め立て承認撤回、沖縄県知事選などを考えれば、沖縄の基地問題を討論のテーマにするには、かなりふさわしいタイミングだった。AIより討論すべきテーマは沖縄だけではない。自民党総裁選を前に、約6年間の安倍政治や安倍一強体制の検証はジャーナリズムの責務のはずだし、あるいは8月というタイミングを考えれば、憲法9条や核の問題を討論することもあり得ただろう。そうした喫緊の課題を取り上げず、いったいなぜひまネタ同然のAIだったのか。
番組司会者の田原総一朗は7月に新著 『AIで私の仕事はなくなりますか?』(講談社)を出版しており、8月31日深夜放送回の討論のテーマがAIになったのは、まさかその影響だろうか。しかし、自著の宣伝ならなおさらよほどネタ枯れのときならまだしも、いまやるべきことではないだろう。しかも、今月だけのことではない。実は『朝まで生テレビ!』は先月も日本の政治問題を扱っていない。7月27日深夜放送回は「激論!トランプ大統領と“世界貿易戦争”」と題してトランプ大統領の外交政策を中心に討論を行っていた。 リテラ9/9より転載
橋ーー正論のウーマンラッシュアワー村本氏にもっと出演の機会を!