アベの脳密度薄し!アワレ
「我が胸の燃ゆる思ひにくらぶれば煙はうすし桜島山」――。この短歌は、安倍首相が27日、総裁選の出馬の決意と共に自身のツイッターに投稿したもの。もともとは幕末の志士である平野国臣が詠んだ歌だ。この歌意を巡って、「安倍首相は意味を理解しているのか」と嘲笑する声が飛び交っている。 「我が胸の――」は、関西吟詩文化協会によると<私の心のうちにある熱い尊王攘夷への情熱にくらべてみると、あの黒黒と噴き上げている桜島の煙など、まだまだ薄いものよ>という意味。この歌は、福岡藩士だった国臣が薩摩藩(現・鹿児島県)で攘夷活動をしようとしたが拒まれたため、薩摩への失望を込めて詠んだと言われている。要するに、薩摩にとって良いイメージではないのだ。 安倍首相が嘲笑されているのは、総裁選出馬に先駆けて「薩摩と長州で力を合わせ、新たな時代を切り開いていきたい」などと語り、わざわざ鹿児島県の桜島をバックにして総裁選への出馬を表明しながら、同時に、薩摩を嘆く短歌を投稿しているからだ。歌の意味を知らずに、「桜島」という単語が入っているという理由だけで選んだのは明らかだ。無教養ぶりを開陳してしまった。
国臣の短歌の意味や引用した理由を安倍事務所に問い合わせたが、期日までに回答はなかった。 それにしても、この首相は教養がなさすぎる。昨年の参院本会議で「云々」を「デンデン」と読んだのは記憶に新しい。寄せ書きの巨大ボードに「成長力」と書いたときには、「てん」と「はらい」のない未知の「成」の字を披露。党首討論で「ポツダム宣言を読んでいない」と無知を暴露し、法学部卒でありながら憲法学の権威である芦部信喜東大名誉教授の名前すら知らなかった。 子どもの頃から勉強がまったくできなかったそうだが、「行政府の長」たる人が、こんなレベルでいいのか。政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。 「安倍首相の悲願は憲法改正ですが、無教養な人が憲法をいじくるほど恐ろしいことはない。憲法だけでなく、歴史も分かっていない。薩長、薩長と威勢よく口にしていますが、幕末の歴史をきちんと勉強していれば、そう軽々しく連呼できないはずです。薩長に敗れた会津や東北をないがしろにしていると思われかねないからです。安倍首相に教養を求めること自体、無理な話なのでしょう」 安倍首相は「美しい日本」を標榜してやまない。だったら、少しは自国のことを勉強したらどうだ。ーー日刊ゲンダイ9/1より転載