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究極・森友問題の本質


 改ざん前文書に昭恵夫人の名前──。本日、公表された改ざん前文書の内容が公表されたが、そこには昭恵夫人の名前が記されていたにもかかわらず、削除されていたのだ。

 しかも、驚いたのは、その名前が出てくる箇所だ。昭恵夫人の名前が記載されていたにもかかわらず削除されていたのは、土地取引の経緯が時系列でまとめられた「これまでの経緯」という項目。改ざん前は3ページ分のボリュームだったが、改ざん後はものの数十行にされ、2ページ半分が削除されている。

 そのなかで、2014年4月28日に近畿財務局と森友側が打ち合わせしたことに言及する部分で、こう記されていた。

〈打合せの際、「本年4月25日、安倍昭恵総理夫人を現地に案内し、夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください。』とのお言葉をいただいた。」との発言あり(森友学園籠池理事長と夫人が現地の前で並んで写っている写真を提示)。〉

 これを受けて、さっそくネトウヨたちは「なんだ、籠池の発言か」「籠池の発言なんて削除されていて当然」などと喚いているのだが、じつは、昭恵夫人の名前が出てきたのは、ほかにもあった。2015年1月8日の箇所には、こんなことが書かれていたのだ。

〈産経新聞社のインターネット記事(産経WEST産経オンライン【関西の議論】)に森友学園が小学校運営に乗り出している旨の記事が掲載。  記事の中で、安部首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が記載される。〉(原文ママ)

 この「これまでの経緯」という項目は、近畿財務局に森友学園から寄せられた要請や両者の交渉、国会議員からの陳情などの具体的な事実が記されたものだ。にもかかわらず、取引契約とは関係しないこの産経記事が唐突に、土地契約の「経緯」として出てくるのだ。

 ちなみに、この問題の記事は、こういうものだった。

〈塚本幼稚園幼児教育学園。安倍晋三首相夫人が同園を訪れたとき、園児らのかわいらしくもりりしい姿を見て、感涙にむせんだという。さて、その塚本幼稚園の籠池泰典園長が、小学校運営に乗り出している〉 〈昭恵夫人は昨年4月、同園の視察と教職員研修のため訪れたとき、鼓笛隊の規律正しいふるまいに感動の声を上げた。さらに、籠池園長から「安倍首相ってどんな人ですか?」と問いかけられた園児らが「日本を守ってくれる人」と答える姿を見て、涙を浮かべ、言葉を詰まらせながらこう話したという。  「ありがとう。(安倍首相に)ちゃんと伝えます」〉

削除されていた「安倍晋三」「麻生太郎」「日本会議」という記述

 近畿財務局が土地契約にいたる「経緯」のなかにこの記事の存在をわざわざ記したのは、いかに森友学園に昭恵夫人がかかわっているのかということを重要視していた、ということだ。

 その上、ほかの文書から削除された部分には、「安倍晋三」「麻生太郎」、さらには「日本会議」の名まであったのだ。

 それは、〈「学校法人 森友学園」の概要等〉という項目で、籠池泰典理事長(当時)について言及した箇所。そこには、籠池理事長が〈日本会議大阪(注)代表・運営委員〉とあり、その注釈部分にこう書かれていた。

〈国会においては、日本会議と連携する組織として、超党派による「日本会議国会議員懇談会」が平成9年5月に設立され、現在、役員には特別顧問として麻生太郎財務大臣、会長に平沼赳夫議員、副会長に安倍晋三総理らが就任〉

 この記述を読めば、森友学園が安倍首相や麻生副総理もかかわる重大案件であるということがよくわかるが、こうした記述も削除していたのである。

 しかし、こうした自己保身の改ざんが明るみになったというのに、本日14時すぎから会見をおこなった麻生財務相は開き直るような態度に終始。自身の進退について「考えていない」と言い、「佐川の答弁に合わせて理財局の指示で書き換えた」「最終責任者は理財局長である佐川」と、佐川宣寿前理財局長にすべての罪を押し付けた。

 だが、これはおかしい。文書の改ざんは2017年2月下旬から始まったというが、これが正しければ、改ざんに最初に手を染める以前の佐川前理財局長における国会答弁は、「改ざんして整合性をとらなければならない」ようなものではなかったからだ。

 たとえば、佐川前理財局長が、文書の改ざんが必要になるような踏み込んだ答弁に変わったのは2月下旬で、24日には「(交渉記録は)速やかに廃棄をした」と言い出し、3月に入ると「価格を提示したこともないし、先方からいくらで買いたいと希望があったこともない」と虚偽答弁をした。しかし、それ以前の答弁は、「適正な価格で売っている」(2月17日衆院予算委員会)という程度のものでしかなかった。

改ざんは佐川局長でなく安倍首相の答弁と整合性をとるために行われた

 では、改ざんは誰を守るために、行われたのか。

 実は、2月下旬より前に「改ざん」が必要な答弁をおこなっていたのは、佐川氏ではなく、安倍首相だった。

 安倍首相は2月17日の衆院予算委員会で、追及する野党の質問に逆ギレし、こう言い放った。

「私や妻が関係していたということになれば、これは、まさに私は間違いなく、総理大臣も国会議員も辞めるということははっきりと申し上げておきたい」

 だが、この答弁は大嘘で、公文書にははっきりと、昭恵夫人や安倍首相の名前、いかに総理夫人の存在を近畿財務局が重く受け止めていたかが記載されていた。「答弁に合わせて書き換え」が必要となったのは、まさに安倍首相のこの答弁ではなかったのか。

 安倍首相も麻生財務相も、これからも佐川氏に責任を押し付けて有耶無耶にするつもりなのだろうが、そんな話が通用するはずがない。改ざん前文書によって、森友問題の本質が安倍夫妻にあることは明らかになった。そして、そうした事実を国民に伏せるために、公文書を改ざんするという国家的犯罪まで起こしたのだ。このまま安倍夫妻を逃げ切らせるわけにはいかない。  リテラ3/12より(編集部)

橋ーー以下は、今夏刊行全作家短編集18巻掲載予定の拙稿「実存ヒプノ⑧」の中の一部です。

「ブン、お前、モリカケ問題をどうみる」「国権の私物化」「それ以上よ、戦争準備さ。森友にさせようとしたのは皇国教育のモデルだ。カケにやらせようとしているのは兵器転用可能の生物化学研究さ。専門家の生物(バイオ)災害(ハザード)の警告なんか無視だ。これらを抱合するものが九条形骸化の戦争準備内閣だ」

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