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西郷どん・虚実


某テレビの「西郷どん」は主演の鈴木亮平さんの熱演もあり、お由良騒動も楽しく理解できる。

ただ、史実を少しばかり知っているものとしては、いかがかと思える展開がいくつもあり、歴史を改ざんしているようで解せない面がいくつもある。斉彬が幼少期の西郷と薩摩で出会うところなど。「会ったとも会ってないとも記録として残っていないから」あった事にしよう、は完全な虚像である。ありえないことだから。おおいに不満である。

西郷がお由良を名指して「妾が」と何度も口にするのも不愉快。

理由は「妾が政治に口を出すなんて」との論理の矮小化に見えるし、西郷自身が後に愛かなさんをさておいて妻をめとるからである。

他に、当の時代考証担当の原口氏が述べた虚像をあげたい

明治維新の英雄・西郷隆盛を鈴木亮平(34)が演じるが、「史実との違いを探せばきりがありません」と語るのは、鹿児島・志學館大学の原口泉教授(70)だ。 『翔ぶが如く』(1990年)、『篤姫』(2008年)などの大河に携わり、『西郷どん』でも時代考証を担当。その原口教授自ら、史実との違いをツッコんでくれた。 【フェイク1】西郷隆盛と主君の出会い 「第1回の放送で藩主・島津斉彬(渡辺謙)がお忍びで薩摩へ帰り、幼少期の西郷隆盛と出会います。しかし、当時斉彬が住む江戸から幕府の許可を得ずに帰るのは、不可能に近い。  史実ではないので、『天狗』に化けて子供の西郷に会う、というような演出になっています。誤解がないように、番組の最後で、『このとき斉彬が薩摩に来た記録はありません』とナレーションを入れてもらっています」 【フェイク2】西郷は下戸  主君・斉彬と西郷が飲み明かすシーンもあるが、「西郷は下戸です」。 【フェイク3】西郷家と大久保家の場所  大河では、西郷家と盟友・大久保利通(瑛太)の家が隣同士という設定だ。 「実際には、150メートルほど離れていました」 【フェイク4】「妙円寺詣り」は夜  島津義弘の武勇を偲ぶ地元行事、「妙円寺詣り」も描かれている。 「これは本来であれば、夜間におこなわれる行事です。キャストの小学生が夜のロケに出られないので、昼間に撮り終えたと聞いています」 【フェイク5】糸子は幼馴染みではない  西郷は3人の妻を娶っている。3番めの妻が糸子(黒木華)だ。 「2人が幼馴染みという設定も史実に反します。脚本の中園ミホさんが『2人は子供のときに会わせたい』との希望でしたので、『まあ、いいでしょう』と」 【フェイク6】月照と西郷の関係  林真理子氏の原作で、話題を呼んだのは僧・月照と西郷の関係だ。主君の斉彬を亡くし、絶望のあまり切腹を図る西郷を、月照が夜具に誘って慰める。尾上菊之助が演じる月照とのシーンは、どう描かれるのか……。 「2人の関係を、林さんは『ボーイズラブ』とおっしゃっていますが、私は月照と西郷は『一心同体』だったと思います。斉彬の君命を受けた西郷と、孝明天皇の勅命を受けた月照は、まさに志をひとつにしていた。男と男、男と女の愛など超えていたのです」 【フェイク7】糸子の奄美大島訪問  物語の中盤で、妻・糸子が奄美大島に渡り、西郷の2番めの妻・愛加那(二階堂ふみ)とその息子・菊次郎と会う場面がある。 「時代考証の立場からは史実と違うと言いました。ですが、林さんはドラマ上、糸子と愛加那に、女同士で話をさせたかったと。これは歴史小説やドキュメンタリーではなく、新しいジャンルの物語だと思っています。あくまで西郷という人間を描いているのです」

橋ーー以下は小生と若干意見は異なる。が、公平の為に記載しておきたい。

 物語のプロット作りから参加した原口教授は、『西郷どん』で新しい西郷像を描こうと試みた。明治維新後、征韓論で敗れ、大久保と対立した西郷は下野して鹿児島に帰る。世にいう明治六年の政変だ。 「私の見方は違います。西郷は大久保と対立したわけではありません。大久保は、内務卿として殖産興業政策を進め、かたや西郷は鹿児島で『農による国興し』を目指した。西郷にとっては、この上なく幸せな時だったはずです」ーーフラッシュ1/28より転載

橋ーーここまで言わせるなら、「時代考証」なんて不要となる。

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