サイコ⓰ーより深い心理学②
アダルトチルドレン(Adult Children)
とは、「機能不全家庭で育ったことにより、成人してもなお内心的なトラウマを持つ」という考え方、現象、または人をさす。頭文字を取り、単にACともいう
アダルトチルドレンチェック実施
●当てはまるものをクリックして下さい。
該当が多ければACの可能性が大きくなります
どのように人に関心を持って関れば良いのかが分からない
いつもなにかが足りないという空しさや寂しさを感じる
表面的に愛情を示してくれる人にしがみついてしまう
他人より劣っていると思う事が多い
相手が自分を良く思っていないと疑い、防衛的になる
人の言うことにノーが言えない
本当の自分と期待される自分とのギャップに悩んでいる
ちょっとしたことで、自信を失う
完璧を求めるあまり、強迫的になりやすい
他人の目を気にして、行動が起こせないことが多い
他人に上下をつけて、軽蔑する傾向がある
ねたみや嫉妬心におそわれる事が多い
自分は他人や一般的とは違うと感じる
隠す必要のないことを隠す事が多い
自由に感情や意見を言ったり、ふるまうことが難しい
恥の意識が強く、行動しない事が多い
自分の顔や身体に自信がもてない
女性らしさ、男らしさを恥じ、性的特徴を外に出さないことに過敏に神経を使う
他人の世話ばかりをしてしまう
誉められるかどうかが、自分の存在価値だと感じる
自分を必要とする人がいないと不安が強くなる
日常の基本的な、自身の世話ができないことが多い
精神的に弱く、ちょっとしたことでガタっと落ち込む事が多い
人の意見を聞かないと不安になる
生きていること自体に罪悪感や嫌悪感がある
自分は自分であってはいけないと思ってしまう
他人から認められたいという気持ちが異常に強いと思う
衝動的に反応する事が多い
怒鳴り声や物音に過敏で過度に萎縮する
一貫性がほとんど無く、感情の上下が激しい
攻撃的な行動や反社会的な行動をとる事が多い
友達からいじめられやすい傾向がある
少しでも対立が起きるとパニック状態になる
びくびくしている事が多い
無表情で、感情を表にだせない
何が正常で何が異常なのかが分からない
●子どもをアダルトチルドレンにしてしまう“親のNG習慣”
(1)いい子にしていないと愛さない。いい子だったら愛すなどの条件付きの愛を与える。 (2)子どもが悪いことをした時だけ感情に任せて叱り、良いことをしても無視。褒めることが一切ない。 (3)“子どもの出来栄え=自分の作品”となってしまい、自分の思い通り育っていないことを嘆く。 (4)子どもが自分の指示通りに行動しないとイラつき、何とかしてコントロールしようとする。 (5)子どもの思いを無視し、親の願いや期待を押し付ける。 (6)子どもがやりたいと思っていることを、ことごとく禁止し、聞く耳を持たない。 (7)“こんな悪いことをする子を産んだ覚えはない”と、存在そのものを否定する。 (8)約束を守る、嘘は言わない、忘れ物はしないなど、完璧を子どもに求める。“まあいいよ”はありえず、緊張感の張りつめた家庭を作る。
これらが思い当たる親御さんは、注意する必要があると、立石さんは話します。 「親は自分の考えで子育てをしていますが、怖いのはこれが次第に子どもの思考癖になっていくことなのです。そして、いつしか大人になったとき親が植えつけた考え方に支配されてしまうからです。アダルトチルドレンの人のなかには、例えば、周囲から見ればいい学校を出て、就職して問題がないように見える人もいますが、本人は永遠に満足することがないのです。それどころか、自分の存在をまったく肯定することができず、とても生きづらい。わが子を知らず知らずのうちにそのように追い込まないように気を付けましょう」
アダルトチルドレン6つの役割
アメリカのセラピスト、クリッツバーグ(Kritsberg,W)が1985年に出した『ACOA症候群(The Adult Children of Alcoholics Syndrome)』という本の中で、成人してアダルトチルドレンとなった人々が、子ども時代に機能不全家族のなかで、どのような役割を担わされていたかについて言い表したものです。 「6つの役割」といっても、パターンがこの6つに分かれるという意味ではありません。細分化していけば、もっと役割の名は挙げられることでしょう。しかし当時、アメリカ社会に浸透しつつあったアダルトチルドレンという概念の理解のために、代表的な子どもたちの性格を、とりあえず6つにまとめたのでした。 ・ヒーロー(hero / 英雄) ある分野において家族の外、世間に評価をされる子どもで、その子のさらなる活躍に家族が期待して、それに熱中するあまり、両親の冷たい関係が一時的に良くなったりします。そうすると子どものほうでも、その期待に応えつづければならないので、ますますがんばってしまう子ができあがります。 こういう子が世間に出て、何らかの挫折にあったときに、問題が発症することが多くあります。
・スケープゴート(scapegoat / いけにえ) ヒーローの裏返しにあるのが、スケープゴートです。 一家の中のダメをひとえに背負いこまされているような子です。 いっけんそのようには見えない非行型のスケープゴートもあります。 この子さえいなければ、すべては丸く収まるのではないか、との幻想を他の家族のメンバーに抱かせることによって、その家族の真の崩壊を防いでいます。 家族の感情のごみ箱ともいえることでしょう。
・ロスト・ワン(lost one / いない子) けっして目立たないことによって、存在し続ける子です。「壁のシミ」のような存在です。 とにかく静かで、ふだんはほとんど忘れ去られています。家族がいっしょに何かやろうというときにいないのですが、いなくなったことにも気づかれないような子です。 本人はこうした形で家族内の人間関係を離れ、自分の心が傷つくことを免れようとしています。
・プラケーター(placater / 慰め役) 一家の中でいつも暗い顔をしている者、たとえば夫の飲酒でため息をついている母親や、妻の狂奔に疲れ果てている父親を、有言無言にいつもなぐさめているような子です。 家族の中の小さなカウンセラーともいうことができるでしょう。
・クラン(clown / 道化師) 慰め訳の亜種として存在する子です。たとえば親たちの間にいさかいが始まり、家族に緊張が走るような時、突然とんちんかんな質問をして笑わせたり、歌い出したり踊り出したりする子です。 こういう子はふだんから表面的には非常にかわいがられていて、ペット的な存在です。本人もかわいがられることを楽しんでいるようなのですが、道化師の仮面の下にはさびしい素顔がひそんでいます。
・イネイブラー(enabler / 支え役) 他人の世話を焼いてばかりいることで、自分の問題から逃げ回っている子です。偽親とも呼ばれ、第一子がこの役につくことが多いですが、長男がヒーローやスケープゴートになってしまうと、その下の長女などがこの役につくこともよくあります。 母親に代わって幼い弟妹の面倒をみたり、ダメな父親にかわって母親のケアをさせられることで情緒的近親姦になっている場合もあります。 こういう子は成人してからもイネイブラーになることが多いです。
これらの子どもたちに共通しているのは、自分の都合ではなく、親の機嫌や顔色、家の中の雰囲気を優先して物事や行動を決めていることです。 子どもたちは、意識してそのようにしているのではありません。無意識の言語、すなわちふるまいとして出てくるのです。 そのため、そういう役割をになっていることは、当の本人にはわからないのが通例です。