原発とミサイル攻撃
2016/4/4 国会質疑 質問者 山本太郎氏
山本議員は、安倍総理に対して次のように質問しています。
「総理、さまざまな事態を想定し、各種シミュレーションを行っているそうでございますが、川内原発の稼働中の原子炉が弾道ミサイル等攻撃の直撃を受けた場合、最大でどの程度、放射性物質の放出を想定していらっしゃいますか?」
安倍政権としては本音では、ミサイル攻撃自体があり得ないと思っているので、ミサイル攻撃による被害想定などしていません。
原子力規制委員会の田中俊一委員長の答弁: 「弾道ミサイルが直撃した場合の対策は求めておりません」
山本議員の質問主意書に対する安倍総理の回答: 「仮定の質問であり、お答えすることを差し控えたい」
安倍総理の答弁: 「武力攻撃事態はですね、その手段、規模の大小、攻撃パターンが異なることからですね、実際発生する事態もさまざまであり、一概にお答えすることは難しいということでございます」
山本太郎議員の反論: 「でも、考えてみてください。今回の(安保)法案の中身、仮定や想定をもとにされてませんか?“A国がB国に攻撃をしかけた”“友好国のB国から要請があり、新3要件を満たせば武力行使ができるのできないの”、これ、仮定ですよね? 仮定でしょ。仮定でよくわからないとごにょごにょ言うわりには、仮定で物事をつくっていこうとしてるんですよ」
「都合のいいときだけ仮定や想定を連発しておいて、国防上、ターゲットになりえる核施設に関しての想定、仮定、できかねますって、これどんだけご都合主義ですか?って話だと思うんです。“我が国を取り巻く安全保障環境、著しく変化”してるんでしょ? 飛んでくるかもしれないんでしょ、ミサイル。“中国が!北朝鮮が!”。いろんな話されてるじゃないですか。“10分で到達します!”。え、で、飛んできたときは? 何もできてませんよ。困りますよね。本気で守る気、あるんですか? この国に生きる生命、財産、幸福追求権守るんだったら、いちばん脆弱な施設、しかも核施設を、どのように防御するかを考えなくてはいけない・・・」
さらに山本議員は川内原発にミサイルが撃ち込まれた場合の防災計画についても質問していますが、大庭誠司・内閣官房内閣審議官は、事態が発生してから対策を考えるという回答しかできませんでした。何も考えてないということがバレてしまいました。ミサイル攻撃のことなど考える必要がないから考えてないのです。
敵国からのミサイル攻撃などから国民の生命と財産を守るのが安保法制なんだ、と安倍総理は主張しています。しかし、本音ではミサイル攻撃など想定しておらず、国民の恐怖心を煽るためにウソを言っているということが証明されました。安倍政権に対する山本議員のカウンタープロパガンダ(敵のプロパガンダに対抗するためのプロパガンダ)が成功した事例です。
そもそも、貿易や国際交流がこれだけ活発になった現代において、戦争など起こしたらお互い損なことばかりです。侵略した側も経済的損失を負い、社会機能が低下するのです。自国のマイナスになることはしないのが外交の基本です。プチ覇権主義やプチ軍国主義のファンタジーに溺れている安倍総理など相手にする必要はありません。ネトウヨの皆さんも、いい加減、目を覚ました方がいいです。
最後に: 山本太郎議員による、この貴重な国会追及場面はテレビニュースでほとんど取り上げられていません。大手を中心に御用メディアばかりなので、安倍政権にとって都合が悪い部分はカットされてしまうのです。結果として、国民が疑問を持つ機会が奪われています。
(橋ーー数か月前、田中委員長は「私が北朝鮮なら首都東京を狙う」と発言し、撤回しました。何たる無責任)