「みんな夢でありましたか」脱稿
文学街文庫9参加予定の上記「みんな夢でありましたか」(原稿18枚弱の小編)を脱稿して送ることができた。
満点とはいかずとも80点は超えたと自負しているのだが。
さて、唯一読んでほしい読者が納得してくれるかどうかが心配されるところーーー。
この作は、「作品集」には揚げないつもりなので、
ここに「ラストに近い一部」を紹介しておきたい。
歌えぬカナリヤがボクなら森田童子は吐血しながら歌うホトトギスだ。童子の掠れた歌を聴きながら五木寛之の「下山の思想」を読んでいたら、「善き者は早く逝く」という文がコーヒーと一緒に胃の腑に優しくストンと落ちて行った。
童子は歌う〈ぼくはもう語らないだろう ぼくたちは歌わないだろう みんな夢でありました〉。歌の背後に流れている映像は、東大安田講堂闘争だ。果敢に「自己否定」を叫んだ同志達は、半世紀に近い年月をどう歩んだのだろう。
童子は歌う〈みんな夢でありました もう一度生きなおすなら どんな生き方があるだろうか〉と。
「酒なき陶酔の季節にボクらは出遭った」で始まり、上記文の後に五行の会話で終結となる
本作の刊行は本年秋予定です。三部予備がありそうです。ご希望の方は早めに思うしつけを。先着順で謹呈いたします。